NY育ちで東大建築学科卒の小島央大監督、長編デビュー作で役者に本物の入れ墨「入れちゃったって感じ」

映画監督の小島央大が20日、都内で行われた映画「JOINT」初日舞台あいさつに登場した。出演者の山本一賢、キム・チャンバ(兼プロデューサー)も登壇し、撮影時の裏話などを語った。

映画「JOINT」でメガホンをとった小島央大監督【写真:ENCOUNT編集部】
映画「JOINT」でメガホンをとった小島央大監督【写真:ENCOUNT編集部】

小島央大監督、長編デビュー作初日舞台あいさつに感無量

 映画監督の小島央大が20日、都内で行われた映画「JOINT」初日舞台あいさつに登場した。出演者の山本一賢、キム・チャンバ(兼プロデューサー)も登壇し、撮影時の裏話などを語った。

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 ニューヨーク育ちで東大建築学科卒。今回が長編デビューとなる小島監督は「3年前にこの映画を企画して、ようやくこの日を迎えられて感無量です。スタッフ、キャストの皆さんとの出会いに感謝しています。悩みながら突っ走ってきました。涙がいっぱいです。ナイアガラです」と声を詰まらせながらあいさつをした

 小島監督は、現代の東京で身近に起きている詐欺犯罪の闇を描くにあたり、徹底したリサーチを実施。また、ドキュメンタリーに近い生っぽさにこだわり、役者陣には演技経験よりも“個性”や“見た目”を重視したキャスティングを行った。

 キムが「レッスンも何も受けてない方が5、6割いたんですけど、皆、ナチュラルに演技をするんで、演技ってレッスンいらないのかなと思いました。感動しましたね」と振り返ると、小島監督は「リハーサルの段階でそれぞれのキャラクターになりきってもらって、『ドキュメンタリーを撮るんでインタビューします』みたいな。そのインタビューに自然に答えられるようになったら、やっとキャラクターが見えてくる。そういったプロセスを経ました」と驚きの演出法を告白した。

 同作品では荒木役の樋口想現が入れ墨を入れるシーンがある。キムは「あれ、本当に作中で入れてるんですよ。それくらいクレイジーなキャストとスタッフが参加しています」と明かした。小島監督は「たまたま想現さんが『入れたいなあ』って言ってたんで、じゃあ、入れようとなりまして、5、6時間くらいかかったんです。入れちゃったって感じですね」とニコニコしながら回想した。

 主演の山本は「この作品は縁と情熱が8割以上。この映画に関しては、スタッフとキャスト、チームの作品だと思います」と熱弁。小島監督は「スタッフもキャストもギラギラしていて、しょっちゅう職質に遭ってしまう。圧倒的な情熱があったので職質対象になったんでしょうね。チーム一丸となってようやく完成しました」と声を弾ませていた。

 同作は個人情報が知らないうちに特殊詐欺のための名簿として売買されている実態をリアルに描いたクライムムービー。主人公の石神(山本)は刑務所から出所したばかりの半グレだが、真っ当に生きたいと望む。しかし、裏稼業から足を洗うのは至難の技。石神は関東最大の暴力団と外国人犯罪組織らそれぞれの抗争に挟まれながらもがいていく。

次のページへ (2/2) 【写真】スタッフやキャストは「しょっちゅう職質に遭った」という…キム・チャンバ、山本一賢、小島央大監督(左から)
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