【カムカムエヴリバディ】二度と戦争が起きないために NHK「ちゃんと死を描きます」
NHKの連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」(月~土曜、午前8時)の制作統括・堀之内礼二郎氏が、このほど取材会を行い、18日に放送された第14回についてヒロイン・安子を演じる上白石萌音の演技を絶賛した。また、安子の祖父・杵太郎(大和田伸也)の死など人の死を描くことへの思いも明かした。
制作統括の堀之内礼二郎氏が取材会で明かした思い
NHKの連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」(月~土曜、午前8時)の制作統括・堀之内礼二郎氏が、このほど取材会を行い、18日に放送された第14回についてヒロイン・安子を演じる上白石萌音の演技を絶賛した。また、安子の祖父・杵太郎(大和田伸也)の死など人の死を描くことへの思いも明かした。
「上白石さんがすごいですよね。もともと魅力的な女優さんですけど、安子というキャラクターとの相性もよくて、安子の魅力を何倍にも膨らませてくれていると感じています」
第14回では、安子が、稔(松村北斗)の結婚に強固に反対する稔の父・千吉(段田安則)と知らずに元気のない千吉に、おしるこをふるまう内容が描かれた。
「素朴な気持ちで目の前の元気のない人に、おしるこを出したと思います。安子は千吉が稔の父であることは知らないのですが、まずくやると、あざとく見えてもおかしくないシーン。でも萌音さんがやると、そう見えない。お芝居のトーン、立ち振る舞い、目線の配り方。ああ、いい子だなぁと感じられる。それは萌音さん自身の素が、人間性が素晴らしいから。会った人がみんな好きになる方。それが安子の魅力につながっていると思います」
また、第14回では、安子の祖父・杵太郎の死も描かれるなど盛りだくさんの内容だった。しっかり死を描くのは最近の朝ドラでは少ない。今後、戦争を描く上では避けて通れないことかもしれない。
「今作ではちゃんと死を描いていきます。戦争を二度と起こしてはいけないというメッセージを次の世代に伝えるためにも、それは避けられないことだと思っています。いろんな大切なものが崩れてしまい、絶望のふちまで追い込まれても、みんな頑張って生きている。そこから立ち上がる人の力強さを描きたい」
堀之内氏は続けて自身の経験談も紹介。
「僕は朝ドラを作る時、病院で見ている方を思い浮かべています。以前、他の番組で病院を取材した時、ほとんどの病室で患者さんが朝ドラを見てくださっていました。『明日の放送を見たいから頑張れる』という人がいると看護師さんが話してくださいました。明日の放送があるから、来週の放送があるから頑張ろうと思ってもらえる朝ドラは素敵だな、そういう朝ドラを作りたいなという思いが原点にあります。死を描くのは病院で見ている方が落ち込んだりしないかとも考えますが、どんなにつらくて困難な状況でも、必ず希望はあるということを伝えるために描かないといけないこともあると思います。今回は100年にわたる人々の営みの積み重ねの上に今があるという意味でも、生と死に真摯(しんし)に向き合って描いていきます」