【青天を衝け】吉沢亮「一気に老けないかなという不安も」 渋沢栄一の晩年まで演じきった感想
NHKの大河ドラマ「青天を衝け」(日曜午後8時)で主人公の渋沢栄一を演じる吉沢亮が、このほど、物語の終盤の見どころや共演者との思い出、主演を務めて感じたことなどを明かした。
NHKの大河ドラマ「青天を衝け」の取材会で終盤の見どころを紹介
NHKの大河ドラマ「青天を衝け」(日曜午後8時)で主人公の渋沢栄一を演じる吉沢亮が、このほど、物語の終盤の見どころや共演者との思い出、主演を務めて感じたことなどを明かした。
「栄一が最後まで落ち着くことなく何歳になっても情熱をもって、時に空回りしながらもやっていく姿は最後まで変わりません。熱量は落ちず、勢いのある作品として最後まで突っ走れる気がしています。皆さんが知っている栄一の功績がどんどん生まれ、普段、生きていて触れている物が生まれる瞬間がどんどん描かれ、より親しみやすい部分が出てくる気がします」
これまでも徳川慶喜を演じる草なぎ剛について語ってきたが、「草なぎさんに対する緊張感が僕の中にあって」と、あらためて他の共演者との違いなど草なぎの印象を紹介した。
「草なぎさんのお芝居は何が出てくるか想像がつかないというか、どういうリアクションでお芝居されるのか全く分からないので、いい意味で不安にもなります。お互いから出るものをその場で拾ってキャッチボールするような空気感でしたので、特殊だったかもしれません」
共演シーンの見どころも聞いてみた。
「慶喜さんの言葉ですね。この先の慶喜さんとのシーンは泣けるシーンばかり。2人の最後のシーンは、この作品のテーマを語っているので、グッときます」
あらためて草なぎのすごさに言及。
「草なぎさんは、お芝居のプランが全く分からないんです。本当にその場に慶喜としているので、草なぎさんの存在はゼロになるから、何を考えているか分からず不安にもなります。でも、こちらもいい方向に引っ張っていってもらえるし、草なぎさんとお芝居している瞬間にしか生まれない緊張感みたいなものがあって、同じ仕事をしている人間としてすごいと思うことばかり。刺激をたくさんいただきました」
また、大河ドラマの主役の大変さにも言及した。
「一番はせりふの量です。栄一がおしゃべりということもあって、どんでもない量を短期間で覚えて1年以上繰り返す。他の現場では味わえない苦労がありましたが、物理的に追い詰められながらもいい物を出し続けるという役者の基礎を鍛えられた気がします。1年半かけて1つの役を演じ続けるのは、役のしみ込み具合というか、何もしなくてもその場に栄一として立っていられる安心感というか、積み上げてきた物が形になっていることを肌で感じるのはすごくうれしいです。他ではなかなか味わえないです」
1年半の撮影。晩年までいろんな年代の栄一を演じた。
「等身大の27歳を完全に忘れている気がします。一気に老けないかなという不安もあります(笑)」
終盤には栄一の妻・千代(橋本愛)との別れのシーンも描かれる。
「号泣していました。千代の死に関しては急すぎたし、苦しさしかないシーンだったので衝撃的でした」
大河ドラマで戦国武将を演じたかったという思いはあるのだろうか。
「織田信長とか歴史上のヒーローに対する憧れはありましたが、知らなかった人物を深く知ることができるのもこの仕事のだいご味。正直、渋沢栄一さんと聞いた時は、お札になる人という知識くらいしかなかったんです。そこから深くいろんなことを探って、さらにお芝居をしていくうちに、どんどん見え方が変わる。渋沢栄一をやれたことは戦国武将をやるより何倍もうれしかったです」