新庄監督、「約105億円」破格のメディア露出効果 「カーネル・サンダース人形発見」を凌駕
プロ野球・北海道日本ハムファイターズの新監督に就任した新庄剛志監督が、抜群の注目度で早くも“結果”を出している。民間の調査会社によると、11月4日の就任会見から2日間のメディア露出の広告換算額は「計約105億円」をマーク。沖縄・秋季キャンプの視察に入った“球界のビッグボス”の動向に関する報道は増える一方で、来季の采配だけでなく、経済波及効果にも注目だ。
本田圭佑の南アW杯ゴールは「1億5000万円」、カーネル・サンダース人形発見は「27億円」の分析結果も
プロ野球・北海道日本ハムファイターズの新監督に就任した新庄剛志監督が、抜群の注目度で早くも“結果”を出している。民間の調査会社によると、11月4日の就任会見から2日間のメディア露出の広告換算額は「計約105億円」をマーク。沖縄・秋季キャンプの視察に入った“球界のビッグボス”の動向に関する報道は増える一方で、来季の采配だけでなく、経済波及効果にも注目だ。
49歳の新庄監督は、1990年にドラフト5位で阪神入団を皮切りに、米大リーグのニューヨーク・メッツ、サンフランシスコ・ジャイアンツでも活躍し、日本ハムでは2006年にリーグ優勝と日本一に貢献し、同年限りで現役を退いた。独自性とユーモアたっぷりの発言や積極的なファンサービスで知られている。
メディアの調査・分析を行う「ニホンモニター株式会社」(東京都)は、テレビ・新聞・ウェブニュースを対象に、新庄監督が就任した話題の報道を調査。就任会見から2日間のメディア露出を広告費に換算した結果、合計で104億9021万円に上ることを8日に発表した。
監督就任会見は4日午後2時に始まり、テレビは会見の生中継をはじめ、過去の試合シーンやテレビ出演のハイライトも紹介。同社の調査では、「Yahoo!トピックス」には2日間で6件もの記事が掲載され、SNSでも多くが引用された。会見翌朝の新聞は全紙で紹介。新庄新監督の全身写真を大きく掲載し、3面にわたって報じるスポーツ紙もあったという。
同社ではこれらのメディア露出を広告費に換算した。
テレビの広告換算額は55億3175万533円。調査対象範囲は東京キー局の11月4日~5日放送分で、露出量は40番組/6時間50分13秒(対象話題が放送された時間帯にネットされた局の15秒スポットCM料金)。
新聞の広告換算額は2億3457万9019円。調査対象範囲は東京発行11紙の11月4日~5日で、露出量は32記事/3万3879平方センチメートル(対象話題が掲載された新聞の1センチ×1段の広告料金)。
ウェブの広告換算額は47億2388万986円。調査対象範囲は主要ニュースサイトでの11月4日~5日掲載分で、露出量は4328記事(対象話題が掲載されたウェブサイトの推計月間PV数と、主要サイトのレクタングル広告料金=1週間=を回帰分析した数値)との結果だ。
過去のスポーツ関連ニュースをさかのぼると、今回の“新庄効果”は興味深い。ニホンモニター調べでは、2009年3月に話題になった、1985年の阪神リーグ優勝時にファンらが大阪・道頓堀川に投げ込んだ「ケンタッキーフライドチキン」カーネル・サンダースの人形が24年ぶりに引き揚げられたというニュースを取り上げた「『カーネル・サンダース人形発見』に関連するテレビ報道の広告効果」について、第1報から約2日間で「27億2670万円」との試算結果を出している。
また、ニホンモニター株式会社・テレビスポーツ情報研究所の調査では、10年サッカーW杯南アフリカ大会での日本-カメルーン戦(日本時間6月14日深夜)で、日本代表の本田圭佑による決勝ゴールの得点シーンについて、「CMスポット料金に換算すると1億5000万円強に相当する値」と分析。さらに、ニホンモニター株式会社の調べでは、15年に開催されたラグビーW杯イングランド大会で3勝を挙げた日本代表について、テレビ・新聞・ウェブニュースの報道結果を試算し、オフィシャルスポンサー企業である「大正製薬」が報奨金贈呈を決定したニュースがメディア露出の広告換算額で「2億525万円」に上ったという。
一方で、10月末の新庄監督の就任決定を受けて、関西大の宮本勝浩名誉教授が11月1日に同大の公式ホームページを通して経済効果の試算を公表している。
宮本名誉教授の試算によると、新庄監督誕生による経済効果は全国で「約59億6434万円」、北海道では「約53億6791万円」になるという。同大のホームページには「この値は新監督の経済効果としては最高クラスのものであろうと考えられる。しかし、監督であれば勝利を挙げることが大切である。新庄監督への期待は大きいだけに、開幕からAクラスに定着し、勝利を収めることが必要である。もし、開幕からBクラスに低迷するようなことになると、新庄監督の経済効果は半減することになるであろう」との宮本名誉教授のコメントを掲載している。
今季のパ・リーグのレギュラーシーズンで3年連続の5位に低迷したチームをいかに復活させられるか。“新庄監督劇場”は破格と言える広告効果での滑り出しだが、経済効果の行方は新庄監督の手腕にかかっているだろう。