コロナ禍の結婚式 総額平均「292万3000円」は調査開始以来最低 ゼクシィ発表
株式会社リクルートが企画制作する結婚情報サービス「ゼクシィ」は4日、「結婚トレンド調査2021」をオンラインで記者発表した。新型コロナウイルス禍になって以降の結婚式の実態を調査・総括し、今後の見込みを示した。
招待人数の「平均42.8人」過去最低 オンライン併用のハイブリッド化の動きも
株式会社リクルートが企画制作する結婚情報サービス「ゼクシィ」は4日、「結婚トレンド調査2021」をオンラインで記者発表した。新型コロナウイルス禍になって以降の結婚式の実態を調査・総括し、今後の見込みを示した。
2020年4月から21年3月に挙式または披露宴・ウエディングパーティーを実施した人が対象。調査は、21年4月~5月に郵送で実施され、計3586人の回答があった。
コロナ禍で結婚式を挙げた人で、結婚式を通して得たこととして「自分の人生が好きになった」の回答は72.9%で、昨年の調査から6.4ポイント増加した。一方で、コロナ禍での結婚式の実施に「迷った」と答えた割合は9割に上った。コロナ禍での実施に踏み切った理由は、半数以上が「親・親族が背中を押してくれたから」と回答し、最多となった。「衛生面で安全な実施が可能だと思ったから」が続いた。
挙式・披露宴・ウエディングパーティー総額の平均は292万3000円をマークした。この数字は、全国調査を開始した2005年以来、最も低いという。また、昨年の調査から70万円減少した。コロナ禍の影響により、予算・金額を当初予定より縮小して実施した人の縮小した金額分は、平均124万8000円となっている。
さらに、披露宴・ウエディングパーティーの招待客人数の平均は42.8人で過去最低となり、昨年の調査から23.5人減少した。
招待人数の減少などの傾向について、登壇したリクルートブライダル総研の落合歩所長は「コロナの影響が見て取れる」との見解を示した。
さらに、「新しい兆し」として、オンラインを併用した「ハイブリッド結婚式」がトレンドであることを明かした。打ち合わせでオンラインを利用した割合が4割程度だったことに触れ、「オンラインを取り入れる動きが見て取れる。徐々に取り入れながら準備して、結婚式当日でもいろいろな形が出てきている」と語った。一部招待客が会場以外の場所からオンラインで参加するスタイルも実際に行われているという。一部オンラインによる披露宴・ウエディングパーティーを知っていた人のうち、4割以上が実施を検討し、実際にこのスタイルを採用した人は「15.1%」であるとのデータを明かした。
他にも、コロナ禍での新しいスタイルの事例を紹介。親族・友人と分けた「2部制」、少人数・親族だけでの結婚式、オープンエアでの実施などだ。
さらに、感染症対策を意識した演出アイテムにも特徴が出てきているという。「消毒ラウンド」と呼ばれるイベントを設けたり、受付で使用する“芳名ペン”を「そのままプチギフト」にして配るケースもあった。
出席した「ゼクシィ」の平山彩子統括編集長は、コロナ禍によって変化したニューノーマル時代の結婚式について「濃密(NO密)婚」とした。
落合所長は、直近の21年4月から8月の一部エリアでの先行調査では、実施率、招待人数、金額面で回復傾向があることを伝えた。
今後の動向について、落合所長は「社会全体がコロナ禍から回復するのかという点を考慮しなければならない。(結婚式の実施に)意欲を持っている人の割合は、コロナ禍でもあまり変わっていない。状況さえ許せば、ある程度回復していくと思う。ただ、今後に感染の波がくるのか、こないのかで変わってくる。明確な時期は申し上げにくい」と述べた。