新型コロナの抗体、半年で約2割まで減少 アルコール摂取で免疫力を損なう可能性も

神奈川県内科医学会は2日までに新型コロナウイルスの抗体継続期間に飲酒習慣と高血圧症治療薬の服用が影響する可能性があるとの調査結果を公表した。

「自然感染による集団免疫は期待できない」としている神奈川県内科医学会
「自然感染による集団免疫は期待できない」としている神奈川県内科医学会

「自然感染による集団免疫は期待できない」と神奈川県内科医学会

 神奈川県内科医学会は2日までに新型コロナウイルスの抗体継続期間に飲酒習慣と高血圧症治療薬の服用が影響する可能性があるとの調査結果を公表した。

 神奈川県内科医学会では、昨年5月18日から6月24日までに神奈川県内の65の医療施設において医師・看護師および通院患者、検診受診者等1603名を調査。全体の2.4%が不顕性感染(無症状感染)による抗体獲得をしていたという前回の調査結果をもとに、今回、抗体が陽性だった被検者のうち追跡調査の協力に同意が得られた33名を対象に、抗体陽性判明2か月後、4か月後、6か月後の抗体の有無を調査した。

 その結果、全33例におけるIgG抗体の陽性率は、抗体陽性判明2か月後で34.4%、4か月後で24.2%、6か月後で24.2%と推移。神奈川県内科医学会はこの結果を受け「自然感染者が国民の7割を超えると集団免疫が成立する期待があったが、抗体は半年で約2割まで低下。自然感染による集団免疫は期待できない。有効な薬剤が広く早期に使用できない現状では、ワクチン接種が重要」としている。

 また、2か月後に抗体が陽性から陰性に変わってしまったグループ、4か月後に抗体が陽性から陰性に変わってしまったグループ、6か月後も抗体陽性が継続していたグループに分けて、被検者の背景情報を比較した結果、飲酒習慣がないこと、高血圧症の治療に使われる薬剤であるアンギオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)を使っていることが、抗体が継続する要因である可能性が示唆されたという。

 飲酒習慣と免疫の持続に関しては、1日あたりのアルコール摂取量が10~20グラム増加すると、市中肺炎のリスクが8%上昇するという報告があり、また、別の研究においても、アルコールの摂取により免疫力を損なう可能性があることが報告されている。

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