扇動的な報道に複雑な思い…渋谷センター街理事長が“変態仮装行列”発言を繰り返す理由

今月末に迫ったハロウィーンに向け、渋谷区や渋谷センター街が警戒を強めている。昨年はコロナ禍で全体的な人出は減ったが、今年は直前の25日にリバウンド防止措置が解除となり、酒類の提供が全面解除に。昨年以上の人出も予想されるなか、ハロウィーンの騒乱を「変態仮装行列」と非難し話題となった渋谷センター街の小野寿幸理事長に、ブームの過渡期に立つ渋谷の街の今を聞いた。

2016年の渋谷ハロウィーンの様子【写真:Getty Images】
2016年の渋谷ハロウィーンの様子【写真:Getty Images】

嘔吐、排せつ、ケンカ、性行為など、無法状態を的確に揶揄した言葉は大きな話題に

 今月末に迫ったハロウィーンに向け、渋谷区や渋谷センター街が警戒を強めている。昨年はコロナ禍で全体的な人出は減ったが、今年は直前の25日にリバウンド防止措置が解除となり、認証店での酒類提供が全面解除に。昨年以上の人出も予想されるなか、ハロウィーンの騒乱を「変態仮装行列」と非難し話題となった渋谷センター街の小野寿幸理事長に、ブームの過渡期に立つ渋谷の街の今を聞いた。(取材・文=佐藤佑輔)

「あの発言後からですかね。ハロウィーン前の取材も増えて、今日もテレビを4つ受けたところ。流行後大賞あと一歩だった。時期が遅かったから選ばれませんでしたが」

 2018年、路上での飲酒はおろか、嘔吐(おうと)、排せつ、ケンカ、さらには性行為など、無法状態となっていたハロウィーンの騒ぎを小野理事長が揶揄(やゆ)した言葉「変態仮装行列」は、ツイッターのトレンドワード1位になるなど大きな反響を呼んだ。それまで経済的な恩恵もあると見られていたハロウィーンに対して「お金を使うファミリー層は怖がって近寄らない。コスプレ客は路上で騒ぐだけで店には来ない。治安の悪い街とのレッテルも貼られて、商店街にとってはマイナスしかない」と言い切ったことも、多くの人の認識を改めることにつながった。

 それでも翌年にはトラック横転事件など、暴動は続く。コロナ禍の昨年は全体的な人出こそ減ったものの、一部ではやはり混乱もあったという。

「去年はコスチュームを来た連中も少なく、『若者も捨てたもんじゃない。呼びかけに応えてくれて感謝します』と夜8時ごろにコメントを出したんです。そしたら10時を過ぎて来るわ来るわ、『さっき言ったの取り消し!』って感じでしたよ」

次のページへ (2/2) 近年は参加者以上に、それを取り上げる報道陣の姿勢にも注目が集まっている
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