「おかえりモネ」脚本家が清原果耶を絶賛 百音の“痛み”を「緻密に、繊細に表現」

NHKの連続テレビ小説「おかえりモネ」(月~土曜、午前8時)の脚本家・安達奈緒子さんが放送終盤を迎え、このほどコメントを発表した。

永浦百音を演じる清原果耶【写真:(C)NHK】
永浦百音を演じる清原果耶【写真:(C)NHK】

安達奈緒子さんが朝ドラの放送終盤を迎えてコメントを発表

 NHKの連続テレビ小説「おかえりモネ」(月~土曜、午前8時)の脚本家・安達奈緒子さんが放送終盤を迎え、このほどコメントを発表した。

 ヒロイン・清原果耶については「ヒロインの百音は、清原さんを信じ切って書いていました。そしてやはり演じていただけて本当に良かったと思っています。百音は10代にして『当事者でありながら、当事者ではない』という難しい立場に立たされた女性です。たった15歳で強烈に抱いてしまった罪悪感を胸に刻みつつ生きねばならない若者の、しかも19歳から24歳という短い期間を演じることは容易ではなかったと思います。大人として成長していく、いちばんみずみずしく、まぶしいくらいに輝いている年頃を『痛み』を伴いながら生きる。しかもその『痛み』は他者から見て分かりやすいものではないので、自分の中に抑えこんでしまったりする。それでも出会った人たちと自身を照らし合わせていくことで、『痛み』と向き合い昇華させていくさまを、清原さんが緻密に、繊細に表現してくださいました」と絶賛した。

 また、安達さんは「物語の中で、まるで実際に5年間を経たかのように、百音の顔が19歳と24歳でまったく違います。どうしたらこんなふうに顔が変わるように演じられるのだろうと思わず画面を見つめてしまいます。わたしはもちろんですが、視聴者の皆さまにとっても、これからもずっと目が離せない存在になっていくだろうと思います。『おかえりモネ』は清原果耶さんがいてくれたからこそ表現できた物語です」とコメントした。

 東日本大震災を背景としたドラマを描く上での思いも明かした。

「東日本大震災を背景にドラマを描く、ということについては、おそらくこれから先もずっと考え続けると思います。正解は見つけられないと思いますし、正解を見つけようとすること自体が違うのではないかとの考えもあります。ですが『その人の苦しみは、その人でなければ絶対に理解できない』という大前提から始めて、話を聞き、考えて得た震災に対する『伝えたい思い』は提示すべきだろうと。チームにそれをお話しして、それぞれのお考えも聞きました。現場は最後の最後まで力を尽くしてくださいました。当然のことながら提示したものが、すべての人に受け入れられるとは考えていません。ご協力いただいている宮城の皆さまの思いもうかがいました。その上で、自然との共生や、『痛み』について描いてきたこの物語の帰結をどのように表現するかを決めました。百音と未知が出した答え、耕治さんと新次さんが出した答えに、それを託しています」と説明した。

 最後は視聴者に向けたメッセージも。

「ここまで見てくださって本当にありがとうございました。心から感謝しています。受け止めてくれる方がいなければ物語は成立しません。どんな受け止め方もあってよいと思います。ですが、やはりほんの少しでも、優しい気持ちや胸が熱くなるような感覚を抱いてもらえていますように、と願ってしまう自分がいます。誰もが以前よりも苦しい日々を過ごされている中で、最後は希望を感じていただけるように書いたつもりです。そしてチームの皆さまが、それをより力強く表現してくださっています。あと少しとなり、わたしはとにかく寂しくてたまりませんが、最後までおつきあいいただけるとうれしいです」とした。

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