ユニット抗争もプロレスの華 DAMNATIONが解散したDDTの今【連載vol.63】

HARASHIMAと吉村直巳のディザスターBOX(DB)が「ユニットを愛してくれるファンのためにも必ず勝つ」とKO-Dタッグ王座取りを誓った。

HARASHIMA(右)と吉村直巳のディザスターBOX【写真:柴田惣一】
HARASHIMA(右)と吉村直巳のディザスターBOX【写真:柴田惣一】

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 HARASHIMAと吉村直巳のディザスターBOX(DB)が「ユニットを愛してくれるファンのためにも必ず勝つ」とKO-Dタッグ王座取りを誓った。

 10・12東京・後楽園ホール大会で王者・竹下幸之介、勝俣瞬馬組に挑む2人。KO-D無差別級王座に君臨する竹下はじめ、勢いに乗るDDTサウナ部「The 37KAMIINA」に対抗心を燃やしている。

 DBはいったん解散したものの、2018年にHARASHIMA、大鷲透、上野勇希によって再結成されたユニット。現在はHARASHIMA、吉村、大鷲、平田一喜をメンバーとしている。ちなみに20年の年明けには丸藤正道も特別メンバーとして紹介されている。

「どんなスタイルでもこなす。何でもできる」という変幻自在がDBの売りで、大鷲は「バラエティー班長」であり、平田はGOダンスで躍動している。HARASHMAも吉村も実はトリッキーなスタイルも得意としている。2人は「自由で和気あいあい。居心地最高」と口をそろえユニット愛を強調する。

 ところが、何ともショッキングなことがあった。9・4名古屋大会の「最下位ユニット解散トーナメント」で、DBは勝利し難を逃れた。とはいえ「どのユニットが解散しそうか?」という事前のファンアンケートで、DBは40%の票を集め、断トツの1位だったのだ。

「ショックだった。泣いた」と2人は、今でもこの結果を引きずっている。だからこそ、ユニットの力関係がはっきりするタッグ王座へのこだわりは強く、今回のタイトル挑戦を大きなチャンスととらえている。

 しかも王者コンビからは「僕たちはスマイル・ピッサリことHARASHIMA、岡林裕二組を下して、ベルトをいただいた。今回のHARASHIMA選手のパートナーは吉村。結果はおのずと見えてくる」と見下されてしまった。

 大日本プロレスのストロングBJの象徴でもある岡林は、日本マット界有数のパワーファイター。HARASHIMAとのスマイル・ピッサリは、団体の枠組みを超えたスーパータッグだっただけに、吉村に厳しい視線が向けられるのは正直、仕方のないことかもしれない。

 吉村自身も「当然でしょ」と冷静に受け止めている。16年暮れにデビューし、20年には今はThe 37KAMIINAの上野とのDB内のタッグ「ノーチラス」としてKO-Dタッグ王者を奪取。V7を飾るなど、10か月間、保持したこともあった。

 だが、頸椎捻挫で20年11月から半年間の長期欠場に追い込まれた。21年5月に復帰したが、この間にノーチラスのパートナーで同期の上野は、KO-Dユニバーサル王者となるなど、シングルプレイヤーとしても成長。一歩どころか二歩、三歩、先に行かれてしまった。

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