【ズバリ!近況】「楽しいと思える間は引退しない」織田哲郎63歳の挑戦…YouTubeに人生初のワンマンステージ

ミュージシャンでプロデューサーの織田哲郎さん(63)は、「負けないで」「世界中の誰よりきっと」「おどるポンポコリン」など、J-POPと呼ばれるようになった時代に大ヒットを連発し、日本の音楽史上歴代3番目の売り上げを誇る作曲家。現在も楽曲提供を続ける中、デビューからプロデュースする相川七瀬のツアーにギタリストとして参加したり、毎週YouTubeで弾き語りを披露するなどマイペースに活動中。そんな中、16日から自身初のワンマンツアーに挑戦すると聞き、個人スタジオでリハーサル中の織田さんを訪ねた。

好きだった酒をやめて自身のスタジオで遊びながら音楽を作ることが何よりも楽しいと語る織田哲郎【写真:塩見徹】
好きだった酒をやめて自身のスタジオで遊びながら音楽を作ることが何よりも楽しいと語る織田哲郎【写真:塩見徹】

人生初のワンマンステージに挑戦

 ミュージシャンでプロデューサーの織田哲郎さん(63)は、「負けないで」「世界中の誰よりきっと」「おどるポンポコリン」など、J-POPと呼ばれるようになった時代に大ヒットを連発し、日本の音楽史上歴代3番目の売り上げを誇る作曲家。現在も楽曲提供を続ける中、デビューからプロデュースする相川七瀬のツアーにギタリストとして参加したり、毎週YouTubeで弾き語りを披露するなどマイペースに活動中。そんな中、16日から自身初のワンマンツアーに挑戦すると聞き、個人スタジオでリハーサル中の織田さんを訪ねた。(取材・構成=福嶋剛)

 コロナ禍になる前から好きだったお酒をやめたんです。だからずっとスタジオに引きこもっていて。おまけに2019年から毎週YouTubeの更新を始めたので、ずっとステイホームみたいな生活をしています。

 今は自分のスタジオで遊びながら音楽を作ることが何よりも楽しいですね。そこで思い付いた面白いことをステージでやってみたくて、この秋に人生初のたった1人のステージに挑戦します。新しい音楽のあり方に興味があるので、テクノロジーと生の演奏をミックスさせたような、今までやってきたことのない実験的なライブになるだろうと思います。音楽家として、スタジオにいる時に近い素の状態を見せるのは今回初になりますが、いろんな楽器を使って、その場のインスピレーションで音楽を組み立てていくライブになるので、ハプニング込みできっと楽しんでいただけると思いますよ。もちろん弾き語りもやります。

 昔から好奇心が強くて、新しいものが出てくると、まず最初に試してみるタイプですね。SNSなんかも始まった時にすぐに触ってみて自分に合うか確かめます。YouTubeチャンネルもこんなに続くとは思ってなかったですね。昔テレビ番組の司会をやってみたりしましたが、万人向けのテレビという媒体には自分が向いていないと分かって、それからなるべくテレビに出ないようにしていました。その点、YouTubeは見たい人だけに届けられるからストレスなく続いているのかな?

YouTubeチャンネルで「ポップス作曲講座」を開催

 おかげさまでもうすぐ登録者数が10万人になるんですが、織田哲郎に興味がなくても、ZARDの曲を作った人とか、相川七瀬のプロデューサーとか、そこから興味を持って見にきてくれるんでしょうね。提供曲を弾き語りしたり、ギターについてしゃべったり、そんな感じで自分が面白いと感じたものを撮っているだけです。編集だけスタッフに手伝ってもらい、iPhoneを使ってほぼ1人で一発撮り。最近はポップス作曲講座とかをやり始めてしまい、早くも1回目で煮詰まってます(笑)。ああいうのはどう説明すれば良いのか本当に悩みますね。

 幼少期から音楽との関わり方は普通ではなかった気がします。誰かに憧れてとか、好きなアーティストがいるから始めたというわけじゃなくて、小さいころから街で流れてきた音楽を脳内に蓄積して、「良い音楽だな」「もっとこうした方が良いのに」とか、そういうのを自分で形にしていったんです。

 曲を書いたら最初に自分と会話するんです。僕の中には幼児の自分、小学生の自分、中学生の自分、大人になった自分、そして60歳を過ぎた今の自分が並列に並んでいて、そいつらに曲を聞かせてワクワクするか確かめてみるんです。例えばNHK Eテレ「おかあさんといっしょ」の「ミライクルクル」(2019年)を作ったときは、幼稚園児の自分と相談しながら作りました。だから僕の場合、僕が書いたって言わないと気がつかない曲も結構多いんじゃないのかな。

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