俳優の松坂桃李が23日、都内で行われた主演映画「空白」（配給：スターサンズ／KADOKAWA）の初日舞台あいさつに登壇。主演の古田新太をはじめ、田畑智子、藤原季節、伊東蒼、寺島しのぶ、吉田恵輔監督も登場した。

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　同作は、「新聞記者」、「MOTHER マザー」のスターサンズ・河村光庸プロデューサーと「ヒメアノ～ル」、「BLUE/ブルー」の吉田恵輔監督がタッグを組み、オリジナル脚本で挑むヒューマンサスペンス。物語は、スーパーで万引きの疑いをかけられ、店長に追いかけられた末に事故死した娘の無実を証明しようとする父親が、店長を激しく追及するうちにモンスターと化し、関係する人々全員を追い詰めていく姿を描く。松坂は、暴走する父・添田充に人生を握りつぶされていくスーパーの店長・青柳直人を演じた。

　冒頭で松坂は、「われわれとのこの温度差といいますか、それがすごく出る作品なんだなと今あらためて実感しております。皆さんそれぞれ思うことがあるかと思いますが、今日は最後まで楽しんで帰ってください」とあいさつ。

　暴走する父・添田充を演じた古田に罵倒されるシーンが多かった松坂は、印象に残っているシーンについて「ずっと謝っていたなって……」と話すと、古田から、「一番つらかったのは、しのぶちゃんとのシーンじゃない？」と言及。学生時代にスーパーでアルバイトをしていた経験があるという松坂は、「当時、一緒に働いていたパートの方がいらっしゃったんですけど、その一人の方と雰囲気がすごく似ていて。距離感だったり、間合いの取り方みたいなのがリアルで、当時のバイト時代を本当に鮮明に思い出した」と振り返った。

　古田とは映画初共演となる松坂は、「ここまで関係性が違う中でガッツリやるのが、僕自身すごくうれしく、実際にお芝居してみると本当につらい気持ちになってくるんですよ、今回の関係性的に言うと。時間を共有するのが楽しかったです」と笑顔を見せ、「今度はもっと仲の良い関係性でやりたい」と願望を語った。

　また、万引きの疑いをかけられた添田の娘・花音を演じた伊東について松坂は、「腕をつかんだときのリアクションっていうのが、万引きをしている子が捕まったときのようなリアクション。「警察24時」が好きで、よく見ているんですけど、“万引きGメン”に捕まった人たちのリアクションと寸分たがわないリアクションだった」と絶賛していた。

　最後に松坂は「それぞれ共感するポイントも全く違うし、僕自身は奥の方まで刺さって、見終わった後にズンッと重くなるというのがあった。皆さんにもそういった何か引っ掛かりや、モヤみたいなものがあったら、まだ見ていない方や一緒に見た方と話して、それを消化してほしいと思っております。一人でも多くの方に見てほしい作品なので、ここからは皆さんのお力をお借りしたいです」と呼びかけた。

（C）2021『空白』製作委員会