【欧州車紀行・最終回】5日間、1000キロの車旅の最後は“モネの家”で最高の庭を満喫!

2019年9月22日、ノルマンディーの旅の4日目。ホテルに荷物を預け、“モネの家”があるジヴェルニーへ。ジヴェルニーに行くには最寄り駅のヴェルノン駅まで行かず、セーヌ川を渡って村を走り、左右が畑のなだらかな丘陵を上って下る。

“モネの家”は美しい花々で満ちていた【写真提供:峯田淳】
“モネの家”は美しい花々で満ちていた【写真提供:峯田淳】

いよいよ到着! ジヴェルニーの“モネの家”

 2019年9月22日、ノルマンディーの旅の4日目。ホテルに荷物を預け、“モネの家”があるジヴェルニーへ。ジヴェルニーに行くには最寄り駅のヴェルノン駅まで行かず、セーヌ川を渡って村を走り、左右が畑のなだらかな丘陵を上って下る。

 それでも街並みが見えず、車で走りながら「本当にジヴェルニーはあるのだろうか」と不安になっていたら、遠くに車と人混みが見えて、「ここか」とひと安心。“モネの家”と庭園はD5(県道)を跨いで一方に庭園、一方が睡蓮の池になっている。

 先にアトリエがある家をひと巡り、2階の部屋には浮世絵のコレクションがズラッと並んでいる。庭園を歩いた後、D5下の通路を通り、あの有名な睡蓮の池も一通り見て回る。この日は小雨模様。翌日晴れることを期待し、ギフトショップで先にお土産を買って、午後6時前にホテルに戻った。

 部屋は最上階の3階にあり、そこがワンフロアになっていた。4方向がベランダに囲まれ、眼下にはセーヌ川が流れている、なんともゴージャスな部屋だった。

 レストランはホテル前を渡った別棟にあった。サーモンのアントレ、僕は仔牛のステーキ、連れ合いのゆっちゃんはシンプルなステーキ、そしてアントルコートを赤のフルボトルで。締めはやはりカルヴァドス。ホテル1階のバーでモエ・エ・シャンドンを頼んで、部屋に持ち込んだまでは覚えているが……。

画家クロード・モネが「睡蓮」を描いた池【写真提供:峯田淳】
画家クロード・モネが「睡蓮」を描いた池【写真提供:峯田淳】

“モネの庭”はただただ素晴らしかった!

 9月23日、ノルマンディーの旅の5日目、最終日。

 ホテルはセーヌ川に沿って、高台に建っている。朝食はセーヌ川を見下ろすことができる1階のレストランで、朝陽を浴びながら。バイキングでは珍しい肉厚のサーモンの切り身にレモンをタップリ絞って3切れ。“モネの家”と庭の見学はこの日が本番。ゆっちゃんは写真を撮りまくる気満々である。ナビに“モネの家”と入れると、目的地まで18分と出た。

 この日はなぜか、入場料は前日より1人4ユーロ高い9.5ユーロ(約1245円)。

“モネの庭”は素晴らしかった。これまでゆっちゃんとイギリスのガーデン、フランスやドイツのシャトーの庭を随分見て回ったが、ここは最高。アトリエがある家に向かって幾筋もの花のドームが高々とつながっている。どれだけの花の種類があるやもしれない。原色、淡い花模様の極彩色が無造作に肌に触れる。

「モネはこんな花々に囲まれ、育てながら絵を描いていたのね。アトリエから見るこの庭はまさに楽園だったでしょうね。季節が移り変わると、庭の表情も一変する。見飽きることがない自然をどう感じて、キャンバスに向かっていたのかしら」

 感激は最高潮に達している。先に行ってゆっちゃんを待っていたのだが、ゆっちゃんはお花畑に迷い込んで、何度も見失ってしまったほど。暑くもなく、肌に心地よい風がそよぎ、空は晴れ渡っている。

 地下道を通って、さて、睡蓮の池へ。睡蓮の連作が展示されているパリのオランジェリー美術館には何度も出かけているが。

「あの枝垂れ柳って、実物と本当に同じ。蓮を見ると、絵から飛び出して来たような気もするし、本物の蓮が絵に乗り移っているようにも思える。モネの絵は不思議だね」

 モネ、万歳!

「昨日は小雨模様、今日は晴天。2日間でモネの何万分の一を体験できた気がするわ」

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