「Dr.コトー診療所」山田貴敏氏「心が豊かじゃない」と怒り 優先席を譲らない乗客に
SDGs×マンガのチカラ製作委員会が22日、都内で会見し、著名な漫画家が顔を揃えた。
SDGs×マンガのチカラ製作委員会が発足会見
SDGs×マンガのチカラ製作委員会が22日、都内で会見し、著名な漫画家が顔を揃えた。
「SDGs×マンガのチカラ」は国連が国際社会が実現すべき17の目標を定めた「持続可能な開発目標(SDGs)」を日本の漫画の力で広めることを狙いにしたプロジェクトで、「課長島耕作」の弘兼憲史氏、「ブラックエンジェルス」の平松伸二氏、「GTO」の藤沢とおる氏、「少年アシベ」の森下裕美氏、タレントで「パギャル!」の浜田ブリトニーら17人の有名漫画家が賛同。それぞれ「貧困をなくそう」「飢餓をゼロに」など1人1つの目標を漫画で描き下ろし、SDGsの認知度を高めていくことになった。
会見に出席した漫画家は1人ひとりあいさつしたが、その中で、語気を強めたのが「Dr.コトー診療所」の山田貴敏氏だ。
杖をつきながらゆっくりとした歩行でステージに姿を見せた山田氏は「これみよがしに杖を持ってきました。この杖を持って電車に乗っても優先席で譲られたことがない。まずこういったところから、心が豊かじゃないなと思うんです」と譲り合いの精神を欠いた日本の現状に不満を吐いた。
「みんな下向いて落ち着かないふりしてスマホやっているんです。ボクが『どなたか席譲ってもらいませんか?』って言うと、みんな急にハッとして6人ぐらい立ち上がるんです。みんな気づいている。そういう心の問題もある」とSDGs以前の問題として嘆いた。
コトーでは離島医療を描き、プロジェクトでは「すべての人に健康と福祉を」を題材に漫画を描く。
「今、アフリカ諸国では5歳まで生きられない子供はたくさんいる。そういうことを身近に感じてもらえるのかなっていうのは、そういう優先席を譲らない人たちを見て、ちょっと不安に思ったりします。でも、これからボクたちが漫画を通じて、もしも少しでもそういう現実を伝えられたら、ちょっとした一歩ですけど、大きな一歩になるんじゃないかとボクは思っていますので、今回参加させていただくことは本当にありがたい」と抱負を述べた。