舞台版「鬼滅の刃」で竈門禰豆子を演じて注目を浴びた女優の高石あかり（18、高は「はしごだか」）が、映画に初主演した。アクション「ベイビーわるきゅーれ」（7月30日公開、阪元裕吾監督）で、社会に適合するために社会勉強と稼業をこなす元女子高生の殺し屋を演じている。（取材・文＝平辻哲也）

「リアル禰豆子」と、その再現度の高いビジュアルが話題となった18歳の高石。「『禰豆子ちゃん』って言っていただけることが多いので、本当に感謝しかないですね。以前から兄と見ていた大好きな作品だったので、その世界に入れるんだと楽しみしかなかったです。（2020年の前作の舞台が）終わってからの方がプレッシャーを感じました」と振り返る。

　そんなイメージを、いい意味で裏切るのが本作だ。演じるのは、組織から委託された殺しの仕事しかやってこなかった元女子高生の殺し屋ちさと。高校卒業を前に、「オモテの顔」としての社会人をするため、コミュ障のまひろ（伊澤彩織）とコンビを組まされ、社会人修行やバイト生活などに精を出すが、相変わらず、殺しの仕事が舞い込んできて……。

　殺し屋を演じるのは、同じ阪元監督のアクション「ある用務員」（21年1月）に続き、2回目。「その時も伊澤さんとのペア。またやれるんだ、と思って、うれしかったですね。ちさとは表面的には人懐っこい、嘘がつけない、正直な明るい女の子ではあるんですけど、もうひとりのちさとちゃんがいて、そっちは達観している、どこか冷たい女の子。それがいろんな場面でちょくちょく顔を出してくるんです。どっちが本当なんだろう、二役をやっているみたいで、面白いなと思いました」。

　劇中では、マシンガンをぶっ放すなど銃アクションを見せる。「あんなに銃を連発する役は初めて。マシンガンは捨て弾が出るような仕組みになっていて、本当に撃っているような感覚なんです。アクションの練習時間は短かったのですが、ダンスをやってきたのがよかったのかもしれません。倒れるシーンが何回かあるんですけど、『キレがあるね』って言ってくださいました」。

　一方、現役スタントウーマンである伊澤の肉弾アクションには驚かされた。「ラストのバトルシーンは生で見られていなかったのですが、試写で圧倒されました。想像の何千倍もすごい。アクションで感銘を受けたというか、心を動かされたのは初めてです。『伊澤さんって、お休みの日に何をしているんですか』と聞いたら、『自主練しているよ』って。すごいですよね。アクションだけではなくて、時折に見せる、感情の爆発とかもすごいんです」と、年上の相棒からも大きな刺激を受けた。