長州力、蝶野正洋、武藤敬司のビッグ3がゴルフ場を占拠し丁々発止のトークバトル
ゴルフ場でプロレス。PGAのシニアツアー公式戦「ISPS HANDA」(7月8、9日=太平洋クラブ大洗シャーウッドコース)終了後、緑の芝生上に設置されたリングで、2試合のプロレスとトークバトルのゴングが鳴った。
2試合のプロレスとトークバトルのゴング
ゴルフ場でプロレス。PGAのシニアツアー公式戦「ISPS HANDA」(7月8、9日=太平洋クラブ大洗シャーウッドコース)終了後、緑の芝生上に設置されたリングで、2試合のプロレスとトークバトルのゴングが鳴った。
第1試合は女子(井上京子、デボラK組VSジャガー横田、マドレーヌ組)、第2試合は男子(ザ・グレート・サスケ、GAINA組VS西村修、KEITA in THE House)の試合。
レジェンドに最前線の選手が入り乱れ、井上組のセコンド・ブル中野が暴れ回る。西村組のセコンドとして登場したザ・グレート・カブキは、ヌンチャクを披露し、芝生の緑に映える赤の毒霧を吹き上げるなど、ギャラリーを大いに楽しませた。プロレス初観戦というギャラリーも多かったようだが、その迫力に圧倒され、昨今の社会情勢で自由に応援はできないものの、大興奮の様子が見て取れた。
「第3試合」のトークバトルも豪華そのもの。長州力、武藤敬司、蝶野正洋の3人が、MCのISPS・半田晴久会長と丁々発止のやり取り。「滑舌」「名勝負の思い出」「あの事件の真相」などを、いろいろと語り合った。一時代を築き上げた3人だけに、マイクもお手のもの。ゴルフファンも十二分に満足させていた。
トークバトル開始前の控室でも、和気あいあいだった。引退している長州、リングから事実上、離れている蝶野、いまだ最前線に立っていても、何度も大けがに見舞われ手術を繰り返してきた武藤だけに、話題はどうしても体のことになる。同じ番組やイベントで共演することも多いが、3人が一堂に会するのは珍しい。現状報告後は、互いに体調、ヒザや腰の具合を気遣い合っていた。
我が身を削り合って、激闘を繰り返した歴戦の強者同士だからこそ、通じ合える。無傷のレスラーなどいない。あちこち、いや、体中に古傷を抱える。さぞや痛いだろう、苦しいだろう、辛いだろうと思うが、それをまるで「勲章」のように思っているところはさすがだ。常人ではとてもそこまで達観できない。プロレスラーは超人だと改めて思った。
明るく笑いがあふれるその様子は、周りの者たちをも、ほんわかさせてくれた。
思えば、3人の間には移籍問題や現場監督としての軋轢など、複雑な人間模様が絡み合っている。時には、感情が高ぶって激しい言葉のぶつけ合いもあった。あまりのやり取りに、どれほど月日が流れようとも和解しがたいのでは……と思ったこともある。
それがこうして3人がニコニコ向かい合って、なごやかに談笑している。当時を知る者からすれば、驚き以外の何ものでもない。時間が解決してくれたことも確かだろう。「昨日の敵は今日の友」と言うが、なかなかその現場を実際に目撃することはない。時の流れを感じ、また、胸が熱くなりとても感慨深かった。
今や長州と蝶野はタレント活動始め、さまざまな舞台に登場している。武藤はまだまだノアの先頭に立っている。3人とも「現役」で、それぞれ大活躍している。
この日はゴルフファンにプロレスの楽しさ、プロレスラーの魅力を存分にアピール。世間の知名度も高い3人には、これからもさまざまな場面で、ぜひとも「プロレスの力」を示してほしいところだ。