日本ラッド株式会社は6日、同社が独自に開発したクリニック向けAI無人電話予約システム「トルテル」が、東京都府中市において傘下のクリニックにて実施されるワクチン接種時の予約システムとして一括採用され、短期間での導入調整を経て順調に稼働していることを発表した。

「トルテル」とは、クリニックが予約日時と予約枠などいくつかの簡単な機能を登録すれば即日から利用できる、AWS Connectを利用したスケーラブルな完全無人のコールセンター型予約システム。全国の自治体・クリニックへ迅速に導入可能で、ワクチン予約や診療予約についてもストレスなく予約受付対応することが可能となる。

　府中市では23万6千人の12歳以上の市民に対しての新型コロナワクチン接種の開始に伴い、より迅速かつ効率的な予約管理方法を検討していたが、既に導入済みのウェブでの予約システム、コールセンターの設置に加え、特に高齢者の予約負担を軽減する切り札として日本ラッドのAI無人電話予約システム「トルテル」が有効であると判断。まずは市内10クリニックに一括導入することを決定した。

　短い準備期間での対応が必須のところ、日本ラッドとの連携で、採用決定から1週間以内での6月14日より本番適用を実施、順調に運用されている。

　この成果を受け、同市においても夏以降から順次開始される若年層向けのワクチン予約接種対応策として、集団予防接種予約での「トルテル」技術を応用した無人電話予約システムを府中市と日本ラッドで共同開発することとし、日本ラッドは包括的に技術支援を行っていく。

　府中市は、「予約の電話が全然つながらないという苦情が市民から多数寄せられたことから、『とにかく予約の電話がつながり、簡単に予約が取れる』ということを目標に、1つの電話番号で同時に300回線を使用できるというAWS Connectを利用した電話予約システムを大変短い期間で構築してもらうことができました」とコメントしている。