「ドラゴン桜」とNiziUの共通点 桜木「その通りだ!」 JYP「誇らしいです」
落ちこぼれ生徒が東大に合格するまでを描いたTBS系ドラマ「ドラゴン桜」。生徒たちは見違えるほどの成長を見せ、27日放送の最終回は涙、涙の感動ゴールとなった。元暴走族の弁護士・桜木健二(阿部寛)が東大専科の生徒を指導する姿も痛快で爽快だったが、NiziUを生んだ虹プロジェクトとの共通点があるという。一体どういうことなのか?(※この記事にはドラマの内容に関わる記述があります)
思い出す金言 J.Y.Park氏「僕たちはみんなもともと特別」
落ちこぼれ生徒が東大に合格するまでを描いたTBS系ドラマ「ドラゴン桜」。生徒たちは見違えるほどの成長を見せ、27日放送の最終回は涙、涙の感動ゴールとなった。元暴走族の弁護士・桜木健二(阿部寛)が東大専科の生徒を指導する姿も痛快で爽快だったが、NiziUを生んだ虹プロジェクトとの共通点があるという。一体どういうことなのか?(※この記事にはドラマの内容に関わる記述があります)
平均世帯視聴率20・4%(ビデオリサーチ、関東地区)という今年の全ドラマ1位という快挙を達成した「ドラゴン桜」最終回。生徒たちの頑張る姿にエールを送った視聴者は多いことだろう。生徒を指導する桜木の姿にはブレがなく一つ一つの言葉が胸に刺さった。桜木が生徒に接する態度にはある特徴がある。それは、決してけなすことはせず、生徒たちの自信や自己肯定感を引き出すところにある。
例えば、瀬戸輝(高橋海人、King & Prince)が東大専科に加わった第3話。桜木が生徒同士で教え合うことを提案すると、瀬戸は「ばかとばかが教えあったところで何か意味あるのかよ」とふてくされるが、すかさず桜木は「そこだ! いまおまえはいいこと言った」と瀬戸の発言を肯定したうえで、「ばか同士だからこその利点がある。自分よりほんの少しだけできるやつが相手だと、自分にもできるはずだと脳が勝手に判断するんだ」と解説し、「それに教える側も知識が整理されあいまいな部分が明確になる。理解度が格段に上がるってわけだ」と生徒の気付きを促すのだった。当時4人だった専科の生徒は「へー」と楽しさを覚え表情がぱっと輝いた。
第7話では英語ラップを披露した天野晃一郎(加藤清史郎)を「エクセレント!」と褒め、受験にとって一番注意すべき点について小杉麻里(志田彩良)が「時間配分です」と答えると「正解だ!」と肯定のリアクション。さらに「知っているのと知らないのでは大きな差が出る。東大受験は情報をフル活用していけばいい」と目標を提示した。
最終回でも青山学院大に合格した早瀬菜緒(南沙良)に「おまえは自分で調べて行動した。自分の人生を人任せにせず、真剣に選んで決めた道だ。堂々と胸張れ!」と背中を押すのだった。乱雑に聞こえる桜木の言葉には、実は生徒への愛情が込められているだけではなく、自信と自己肯定感につながるような手法が含まれており生徒の学習意欲を高めた。
子どもたちに自信と自己肯定感をもたらすストーリー展開は、あるオーディション番組でも見ることができた。グローバルグループ・NiziUを生み出したサバイバル番組「Nizi Project(虹プロジェクト)」だ。プロデューサーのJ.Y.Park氏は地域予選に出場したMAKOがJYP練習生時代に一番つらかったことについて「他の練習生はかわいいコンセプトだったり、カッコいいコンセプトがあるんですが、私はまだ自分のコンセプトがつかめていない」と悩みを打ち明けると、「コンセプトは必要ないです」とキッパリ。
続けて「僕たちはみんなもともと特別だからです。ただ自分らしくありのままでいてください」と今の自分自身を肯定するよう促した。審査についても歌とダンスを披露したMAKOに「強く踊る動きと軽く踊る動きが区分できています。(練習生時代は)本当に誠実に熱心に練習したみたいです。誇らしく思っています」とその頑張りを褒め、ねぎらいの言葉を送った。
一方、同じく地区予選に参加したダンス歴8年のRIOに対しては「演技力に魅了されました。驚くべき才能を持っている」とスキルを認めたうえで、次の審査では「歌手がダンサーのように見えてはいけません。歌手とダンサーは違う職業です。今踊っていた時、私と心を通わせ合おうとしない。見る人を説得しようとする努力が見えないし、自分がうまく踊ることだけを考えている。私は踊っているので見る見ないはご自由に、という印象を受けました」とズバリ指摘した。責めているのではなく、歌手になるための目標や対策を具体的に提案することで、RIOの内面にある答えを引き出そうとしたのだ。
「ドラゴン桜」と「虹プロ」は、まったくジャンルの違う番組ではあるが、両方の番組に似たような感動を覚えたのはなぜなのか。「指導力のあるリーダーが適切に指導すれば、子どもたちはぐんぐん伸びていける、成長していけるんだ、という至極当たり前な事実に視聴者が気付いたからです。人の成長を自分のことのように喜んでくれる大人たちの姿も印象的でした。このような先生が今の学校教育の現場にどのくらいいるのか…。『ドラゴン桜』を見て気になりました」(コーチング関係者)
※高橋海人の「高」ははしご高です。