パズドラ最年少王者、ゆわ選手が描くプロのあり方「賞金じゃなく、大事なのは成績」
「パズル&ドラゴンズ」、通称パズドラ。国内累計5300万ダウンロードを誇る、超人気スマートフォン向けゲームだ。その全国大会を小学6年生にして優勝。JeSU(日本eスポーツ連合)のジュニア・プロライセンスを獲得し、大きな注目を集めたのが、現在15歳の“ゆわ”選手。パズドラのCMにも出演する、最年少プロゲーマーとしてまだ誰も歩んでいない領域を歩むその眼差しは、自分が何者で何を成すべきかを理解している"プロのそのもの"であった。
プロになり見られている事を意識するようになった
「パズル&ドラゴンズ」、通称パズドラ。国内累計5300万ダウンロードを誇る、超人気スマートフォン向けゲームだ。その全国大会を小学6年生にして優勝。JeSU(日本eスポーツ連合)のジュニア・プロライセンスを獲得し、大きな注目を集めたのが、現在15歳の“ゆわ”選手。パズドラのCMにも出演する、最年少プロゲーマーとしてまだ誰も歩んでいない領域を歩むその眼差しは、自分が何者で何を成すべきかを理解している”プロのそのもの”であった。
――パズドラを始めたきっかけは?
「小学生のころに友達からニンテンドー3DS用の『パズドラZ』を遊ばせてもらったのが最初です。それで親に買ってもらおうと思ったところ、スマートフォン版があると知って、親に許可を得てはじめました」
――最初から上手だったのですか。
「自分で上手だとは思ってなかったんですけど、YouTubeで(現プロゲーマーの)LUKAさんの動画をお父さんと一緒に見ていたときに、『お前とあまり変わらなくない?』と言われてたんです。だったら大会に出てみようという気持ちになって、小学4年生のときにガンホーフェスティバルの大会に出場しました。結果は2回戦負けでしたけど」
――動画を見ていたことで自然とテクニックが身についたと。
「そうですね。もともと自分に向いていたんだと思います」
――1日のパズドラのプレイ時間は?
「実はそんなに長い時間ではなくて。“練習しよう!”みたいなことはなくて、ゲームとして楽しんでやっていますね。なので“大会に勝つためにこれをやっている”、というのはないです」
――小学6年生のときに「第4回パズドラジャパンカップ(2016年5月開催)」で優勝しました。
「好きなゲームのイベントに行ってみたいという気持ちが先で、どうせなら出場してみようくらいの軽い気持ちでした。楽しんでやろうと思っていたので、優勝した実感はなくて……。自分でもどんなことを考えていたか、あまり覚えていなくて『あ、優勝できたんだ』という感じでした」
――当時は大変話題になりましたが、学校のお友達など周りの反応は?
「当時は優勝したことがあまり知られてなかったんですけど、中学生になったらいつの間にか広まっていて、めっちゃイジられましたね(笑)」
――その後にジュニア・プロライセンスを獲得します。
「プロになったら何が変わるんだろうというのが、自分の中では明確じゃなかったんですけど、親からは“人に見られる”、“お金がもらえる”と教わりました。受験などで活動ができなくなるかも、とか悩みはしたのですけど、ガンホーさんが『(プロプレイヤーとして)やってみて、もし(自分と)合わなかったらその時に辞めても大丈夫』と言ってくれたので、まずはやってみようと思い、プロになりました」
――プロになったことでの生活や意識の変化はありましたか?
「プロになった当初は、(プロライセンスを持っているのが)LUKAさんと2人だけだったので大会が活動の中心でしたけど、その後はテレビ番組やCMといった仕事が増えることで、プロとしての自覚が芽生えてきたかなと感じています。今は12人のプロがいるんですけど、多くはそれまで関わりがなかった人ですし、プロリーグを見に来てくれる人も含めて、いろんな人と交流ができる機会が増えたのがよかったです。プロ活動をすることで、親からは『もっとこうしたら?』とアドバイスしてもらえるので、自分的に悪いところは少しずつ直していけている気がしています。ここが人に見られることで変わった部分かな」
――プロ活動でのプレッシャーは?
「小6のとき『パズドラジャパンカップ』で初優勝したときは、勝ちたいというより、“楽しもう”という気持ちが強くて緊張はしませんでした。テレビ出演も“撮り直しが利くから”と開き直ったので緊張はなかったです。最近だと9月の『東京ゲームショウ 2019』のプロ大会(パズドラチャンピオンズカップ TOKYO GAME SHOW 2019)が一番緊張しました。ジュニアプロになってから大会で優勝したことがなかったし、“一回優勝しただけの推薦枠じゃないか”と周りから思われているかもしれないと感じてたので、もちろんそう思われてるのは納得できなかったですけど。そのプロ大会が終わると高校受験で大会に出場できなくなるので、さらにプレッシャーはありました。受験を控えてるので、ジュニアプロとして一区切りでもあるので、予選通過後に“もう負けられないな”と緊張したんですけど、勝ちたいという想いを強く持って臨みました。緊張すると“パズル力”が落ちるので、自分の世界に入れるよう“観客のいない天井”を見るようにしています」
――試合に負けたときはやっぱり悔しいですよね?
「基本的には負けてもすぐに切り替えができるタイプなんですけど、一昨年の大会を6連敗したときは、1週間くらいなにも手に付かないくらい落ち込みました。でもパズドラはログインだけしてました。2週間後にリーグ戦の次戦があったことで、そこで勝ってどうにか(メンタルは)持ち直しました」