「宇宙キャスター」商標申請のフリーアナの熱意「笑われていた肩書がモノになり始めてます」

宇宙ブームの昨今、宇宙キャスターと称するフリーアナウンサーがいる。「日テレNEWS24」のキャスターを務めている榎本麗美。日頃、宇宙について、どんな活動をしているのか。大学ではバイオサイエンス学科で学んだ“リケジョ”というが、そもそも宇宙に興味を抱いたきっかけは何だろう。

「J-SPARC」のナビゲーターを務めている榎本麗美【写真:荒川祐史】
「J-SPARC」のナビゲーターを務めている榎本麗美【写真:荒川祐史】

「J-SPARC」のナビゲーターとして「JAXAの取り組みや宇宙ビジネスの現況伝える」

 宇宙ブームの昨今、宇宙キャスターと称するフリーアナウンサーがいる。「日テレNEWS24」のキャスターを務めている榎本麗美。日頃、宇宙について、どんな活動をしているのか。大学ではバイオサイエンス学科で学んだ“リケジョ”というが、そもそも宇宙に興味を抱いたきっかけは何だろう。(取材・文=中野由喜)

「小学校低学年の時、自分はなぜ地球にいて、何で人間なのだろうという疑問を感じていました。宇宙の誕生から学びはじめ、どんどんのめり込んでいきました。未知の部分が多く、子どもの頃から今日までワクワクして生きてきました」

 宇宙キャスターと名乗ったのは約3年前。報道番組のキャスターをしながら宇宙の番組を自ら企画し始めた頃。CS放送の特番として放送されたことで周囲から認知されたという。

「今、『宇宙キャスター』というワードの商標登録を申請しています。自分で言い始めて、みんなに笑われていた肩書ですが、モノになり始めています(笑)」

 大学時代に学んだバイオサイエンスの知識も生かせる時代になったという。

「ミドリムシを使ってバイオ燃料を作るとか体を健康にしようという会社が、宇宙にミドリムシを連れて行こうとしています。月で人が暮らすようになった時の食糧にとか、もし月に基地を作った場合、人間は息をすると二酸化炭素がたまるのでミドリムシをたくさん置いておけば光合成をして新たな酸素を加えなくても循環できるのでは、という研究をしています。バイオと宇宙は今、密接。時代が来たという感じです」

 宇宙キャスターとしての活動を聞くと、その分野の先駆者的な存在とあらためて感じる。JAXA(宇宙航空研究開発機構)と民間企業が共創し、新しい技術を得て事業を創出する研究開発プログラム「J-SPARC」のナビゲーターを務めている。その仕事とは。

「J-SPARCも始まり、衣食住などB2C(消費者向け)ビジネス含め、ベンチャーや宇宙と縁遠かった大企業も宇宙ビジネスに注目しています。私はそこで宇宙への敷居を下げ、業界全体を盛り上げる橋渡しをしています。YouTubeでJAXAの共創先企業の活動を紹介したり、宇宙業界に新たに参入いただくためのJAXAのイべントの司会を務めたり。一般の人には難解なことを分かりやすく伝え、社会にも役立つJAXAの取り組みや宇宙ビジネスの現況をまず知っていただけることが使命だと思っています」

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