大河ファン逃さぬ「麒麟がくる」期間平均視聴率14.4% 前作から6.2ポイントアップ

NHK大河ドラマ「麒麟がくる」の最終回の第44回が7日に放送され、初回から最終回までの期間平均視聴率が、関東地区で14.4%だったことが8日、ビデオリサーチの調べで分かった。前作「いだてん~東京オリムピック噺~」の期間平均視聴率8.2%から6.2ポイントアップした。また、7日の本能寺の変を描いた最終回の平均世帯視聴率は関東地区で18.4%の高視聴率を記録した。これは初回の19.1%に次ぐ同作2番目の高視聴率だった。

長谷川博己【写真:ENCOUNT編集部】
長谷川博己【写真:ENCOUNT編集部】

最近5年では2016年「真田丸」16.6%に次ぐ2番目の数字、最終回も18.4%の高視聴率

 NHK大河ドラマ「麒麟がくる」の最終回の第44回が7日に放送され、初回から最終回までの期間平均視聴率が、関東地区で14.4%だったことが8日、ビデオリサーチの調べで分かった。前作「いだてん~東京オリムピック噺~」の期間平均視聴率8.2%から6.2ポイントアップした。また、7日の本能寺の変を描いた最終回の平均世帯視聴率は関東地区で18.4%の高視聴率を記録した。これは初回の19.1%に次ぐ同作2番目の高視聴率だった。

「麒麟がくる」は2020年1月19日から放送が開始されたが、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、撮影を続けることができず、6月7日の第21回の放送後は、8月30日の第22回まで放送を中断せざるを得ない状況となった。関係者によると、初回から中断前の第21回までの平均世帯視聴率は15%台半ばとされるが、中断で視聴者が少し離れてしまい、再開した第22回以降は13%前後が続いた。

 しかし、大きく低迷することはなく、NHK内外からも内容について高い評価を得た。要因は主演の長谷川博己をはじめとする俳優陣の気迫のこもった演技と脚本の力。中断前の前半は青年・明智光秀のさわやかさと躍動感が視聴者を魅了したが、後半は信長との間に生じていく亀裂が巧みに描かれ、長谷川も光秀の心の痛み、苦悩などの内面を、こん身の力を込めて表現してファンを引き付けた。前半を「動」とするなら、登場人物の内面を丁寧に描いた後半は「静」ともいえるが、俳優陣から伝わる強い気迫、激しい心の動きは、前半をしのぐ「動」。特に俳優陣の魂のこもった演技は、作品に大河ドラマならではの重厚感を生み出した。民放各局が特番の放送などもあって視聴率が上下することがあっても、「麒麟がくる」は安定した数字をキープし、大河の底力を感じさせた。

 14.4%は、ここ5年では、16年「真田丸」の16.6%に次ぐ2番目に高い数字。この数字は大河ファンに大河らしさを十分に感じさせ、そのハートをつかんで離さなかった成果だろう。

 また、最終回の第44回では、本能寺の変が描かれ、光秀が大勢の軍勢を率いて攻める迫力ある映像と織田信長(染谷将太)の壮絶な最期の描き方は見ごたえがあった。また、作品のラストは本能寺の変の3年後が描かれ、光秀らしき人物が登場し、生きていたかもしれないと想像させる新鮮な描き方で視聴者を楽しませた。これが同作2番目となる18.4%という高視聴率につながったと思われる。前回第43回の13.9%から4.5ポイントもアップした。

○最近10年の大河ドラマ期間平均視聴率(関東地区)
2011年「江・姫たちの戦国」:7.7%
2012年「平清盛」:12.0%
2013年「八重の桜」:14.6%
2014年「軍師官兵衛」:15.8%
2015年「花燃ゆ」:12.0%
2016年「真田丸」:16.6%
2017年「おんな城主 直虎」:12.8%
2018年「西郷どん」:12.7%
2019年「いだてん~東京オリムピック噺~」:8.2%
2020年「麒麟がくる」:14.4%
※数字はビデオリサーチ調べ

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