「初代タイガーマスクの秘蔵っ子」は「東北のストロング娘」 ベルト初戴冠に王手の21歳素顔
「初代タイガーマスク(佐山聡)の秘蔵っ子」舞海魅星(まいうみ・みらい)が初のベルト取りに挑む。
2・11後楽園で上福ゆきに挑戦
「初代タイガーマスク(佐山聡)の秘蔵っ子」舞海魅星(まいうみ・みらい)が初のベルト取りに挑む。
東京女子プロレス2・11後楽園ホール大会で、インターナショナル・プリンセス(IP)王者・上福ゆきに挑戦する舞海。故郷の岩手県宮古市で柔道教室に通っていた小5の時に、東日本大震災に見舞われたが、初代タイガーマスクのチャリティー興行に励まされた。
後に巌流島で開催された興行に招待され参加。初代タイガーマスクの勇姿にすっかり魅了され、プロレスにどっぷりとはまってしまった。
高校卒業時にはプロレス入りしか考えられず、リングネームも「舞海魅星」とすでに自分で決めていた。「海を舞うようなレスラーになりたい。本名の『みらい』と『星』を入れたかった」と振り返る。命名アプリを駆使し、字画も確認した。
初代タイガーマスクには会うたびに「大きくなったねえ」と目を細められる。2019年5月のデビュー後のファイトも「グッド、グッドだよ」とほめてもらった。プロ意識の大切さをアドバイスされている。
黄金の虎殺法も動画でチェック。タイガースープレックスを得意技と胸を張れるようになりたいという。空中弾やキックも取り入れたいが「まだまだ、無理です」と、虎殺法の習得は今後の課題だ。
今ではオカダ・カズチカに憧れている。凱旋初戦でブーイングを浴びたものの、約1か月後にプロレス界をひっくり返した「レインメーカー・ショック」の再現を目指している。
オカダが棚橋弘至を下しIWGP王者に輝いた「レインメーカー・ショック」は、12年2月12日だった。舞海は21年2月11日に、上福からIP王座を奪い「ミラマーレ・ショック」を巻き起こす。
「ミラマーレ」とは、舞海が柔道技の腕がらみを決めた時の名称であり、イタリア語で「海の眺め」という意味だ。ただ舞海は「ミラマーレ・ショックの本当の意味は、それだけではない。当日まで色々と想像してほしい」とにっこり。楽しみは膨らむ。
新コスチュームのお披露目も考えている。「私の大好きな青が基調」と、故郷・宮古の海をイメージしたものになる。入場時に振る大漁旗が、ますます映えるはず。
大漁旗は両親にプレゼントされたもの。コロナ禍になる前は、会場に駆け付け応援してくれた。ここ1年は、両親の観戦も舞海の帰省もままならないが、地元から送ってくれる好物のウニ、アワビ、ホッケなど故郷の味が、さびしさを紛らせてくれる。
オフには食べているか、寝ているか、ジムにいる。スポーツ歴は柔道。かたや、上福のスポーツ歴は「クラブで踊る」こと。「自分にないモノを持っている」と上福を認めてはいるが「タイプが違うんだ」と強気に言ってのける。
上福は神奈川県藤沢市出身で「湘南の海」を眺めて育ってきた。舞海は「リアス式三陸海岸の海」で漁をする両親を手伝いながら大きくなった。タイプの違う海とともに生きてきた上福を、舞海はミラマーレで倒しIPベルトを手に入れる。
そして、コロナ禍が鎮まるまで、ベルトを守り続け、故郷・宮古に王者として凱旋し、まだ一度も対戦していない外国人レスラーを相手に防衛戦に臨む。まだまだ終息が見えないコロナ禍に負けない「長期政権」を築き上げる決意を固めている。
初代タイガーマスクの元にベルトを持っていくことができるのか。21歳のホープ・舞海魅星が勝負をかける。