「RIZIN.26」大会総括 シバターは“革新”「天心VS武尊」夢の対決にも熱視線
RIZINが2020年12月31日にさいたまスーパーアリーナで「RIZIN.26」を開催。新型コロナウイルス禍ながら9978人(超満員札止め)の観衆を集め、大盛況のうちに大会は終了した。メインは朝倉海VS堀口恭司のバンタム級タイトルマッチ。他には那須川天心、朝倉未来らRIZINのオールスターが参戦した。また、天心の試合にはK-1の三階級王者の肩書きを持つ武尊が来場。2021年中には、これまで待望視された天心VS武尊という夢の対決が実現する!?(取材・文 “Show”大谷泰顕)
「RIZIN.26」大会総括 「縦軸」と「横軸」
RIZINが2020年12月31日にさいたまスーパーアリーナで「RIZIN.26」を開催。新型コロナウイルス禍ながら9978人(超満員札止め)の観衆を集め、大盛況のうちに大会は終了した。メインは朝倉海VS堀口恭司のバンタム級タイトルマッチ。他には那須川天心、朝倉未来らRIZINのオールスターが参戦した。また、天心の試合にはK-1の三階級王者の肩書きを持つ武尊が来場。2021年中には、これまで待望視された天心VS武尊という夢の対決が実現する!?(取材・文 “Show”大谷泰顕)
それは夜9時(21時)を少し過ぎた頃だった。
まさにこれからセミファイナルの那須川天心の試合が始まろうとしていたその時、衝撃は走った。画面上にK-1の三階級王者・武尊の姿が映し出され、リングサイド最前列に陣取ったのである。
天心と武尊といえば、お互いの所属する団体や思想信念の違いから、夢のカードともくされながら実現に至っていない格闘技界屈指のキラーカードだ。
言うなれば、それは2021年に向けて格闘技界が放つ、大きな狼煙が上がった瞬間だった。
そんな前振りを冒頭に書きつつ、今回は大みそかに開催された「RIZIN.26」を総括してみたい。
ひと言で述べるなら、今回の「RIZIN.26」は「縦軸」がハッキリと鮮明な大会だった。
言うまでもなく、朝倉海VS堀口恭司である。
勝負論、物語、話題性、テーマなど、これ以上ないほどに格闘技の好きなコアなファンに向けた求心力があるマッチメーク。
これが明確だとイベントは強い。
これに加え、「横軸」がしっかり見えてくると、さらにこの「縦軸」の良さが際立っていく。
RIZINで例えるなら、18年9月30日にさいたまスーパーアリーナで開催された「RIZIN.13」では、那須川天心VS堀口恭司のキックボクシングルールという「縦軸」が実現した一方、ボブ・サップVS大砂嵐という「横軸」が存在した。
言ってしまえば両極のようなカードがラインアップできると、相乗効果となって大会全体の重厚感が増幅されていく。
実際、大みそかに地上波で5時間45分のテレビ中継を行う、今回のようなRIZINでは「横軸」に当たる「出し物」をいかに組めるか。この点が非常に重要視される。
その点を考えていくと今回は、現在、先頭を走っていく粋のいいファイター以上に、どちらかというと熟練味のあるキャリアを持ったベランファイターに目を奪われた。
いわく、五味隆典であり、所英男であり、ミノワマンであり、今回ばかりはこれにシバターも加えていいのかもしれない。
おそらく誰もがこれ以上ない賛否のあるファイターばかり。
それでも今回ばかりはリング上の攻防以上に、入場時の華やかさや厚みを考えると、誰もが名脇役の役割をきっちりと果たしていた。
個別に見ていけば、言いたいことも多々あるが、今回ばかりは「歴史」の持つ記憶や思い入れに救われた部分を少なからず感じたのは自分だけだろうか?