トランスジェンダー役、デリヘル従業員役、けだもの役…カメレオン俳優・田中俊介の本音
草なぎ剛主演の「ミッドナイトスワン」(内田英治監督)ではトランスジェンダー役、伊藤沙莉主演「タイトル、拒絶」(山田佳奈監督)ではデリヘル従業員役と、近作の公開作では印象的な役が目立つ田中俊介。21日公開(11/21名古屋先行公開・12/4~東京・12/5~大阪公開)の映画「恋するけだもの」(白石晃士監督)では“けだもの”に変身する青年役で主演する。最新作へかける思いを聞いた。
インタビュー、主演映画「恋するけだもの」が21日公開
草なぎ剛主演の「ミッドナイトスワン」(内田英治監督)ではトランスジェンダー役、伊藤沙莉主演「タイトル、拒絶」(山田佳奈監督)ではデリヘル従業員役と、近作の公開作では印象的な役が目立つ田中俊介。21日公開(11/21名古屋先行公開・12/4~東京・12/5~大阪公開)の映画「恋するけだもの」(白石晃士監督)では“けだもの”に変身する青年役で主演する。最新作へかける思いを聞いた。
――近作、印象的な役が続いていますね。
「今まで撮っていたものが集中して公開されていて、いろんな表情の田中俊介を見ていただけるので、ラッキーだと思っています。最近は映画だけではなく、ドラマ(『ドクターY~外科医・加地秀樹~』『相棒 season19』『この恋あたためますか』)にも出演しています。テレビをご覧の皆さんは映画を見て、びっくりされるだろうし、同一人物なの? と驚いてもらえるのは、この仕事の楽しさの一つですね」
――この「恋するけだもの」は、田舎町にたどりついた青年・宙也が、殺人鬼の女装男(宇野祥平)に恋されてしまう……という奇想天外なストーリー。元は18分の短編「恋のクレイジーロード」(2018年公開)です。
「『恋のクレイジーロード』では、白石さんと全国のミニシアターを数え切れないくらい回りました。たくさんの方に見ていただき、その度にトークもしたんですけど、話題が尽きなかったんです。もっともっといろんな展開ができるんだろうなって、その時から感じてはいたんですけど、まさか、こんな早くリブートという形で実現するとは。長編ですから、やれることの幅が広がったんですが、こんなに、色々なジャンルが混ざり合ったものになるとは。まさかこんなにアクションするとは。びっくりしました。“ばけもの”と“けだもの”がバトルをしていると思いきや、ラブストーリーなの? 純愛なの? って。その衝撃を味わっていただきたいですね」
――主演というポジションは演じる上で違いはありますか?
「お芝居している上では、主演だろうがなかろうが、関係ありません。映画の現場が大好きなので、どの作品も楽しんでいます。特別意識することはないんですけど、座長としてちゃんと周りを見る目を持たないといけないなとは思っています。ただ、今回はスケジュールがタイト過ぎて、必死でした(笑)」
――撮影はいかがでしたか?
「今年の初めの寒い時期で、短い期間にこれだけの量を取るっていうのは大変ですけど、一番きついなと思ったのは、冒頭の小便を飲まされるシーンです。こんなことはじめて。もちろん本物じゃないですよ(笑)。お茶か何かですけども、人の股間から降ってくるものを顔に浴びて、飲むというのは、こんなにもきつい屈辱なんだ、と思いました」
――宙也は普段はおとなしい青年ですが、あることをきっかけに凶暴化する役ですが、どんなアプローチを?
「前作の『恋のクレイジーロード』では多重人格者で、もう1個の凶暴な人格が現れる。そのきっかけは描かれてはないですけど、僕の中でイメージがありました。虐待か何か、幼少期からの何かしらのトラウマがあるだろうなと思っていたんです。今回は、自分がイメージしていたものがシーンとして描かれていたので、やりやすかったです。ただ、変化するシーンでは、使ったことない筋肉を使ったのが大変でした」