坂東玉三郎、歌舞伎座で“夜7時開演”「新しい試み」 地唄舞二題を披露
歌舞伎俳優の坂東玉三郎が1日、都内で行われた歌舞伎座「八月納涼歌舞伎」第三部(8月2日から8月26日)の取材会に出席した。

歌舞伎座「八月納涼歌舞伎」第三部の取材会
歌舞伎俳優の坂東玉三郎が1日、都内で行われた歌舞伎座「八月納涼歌舞伎」第三部(8月2日から8月26日)の取材会に出席した。
人間国宝・玉三郎(重要無形文化財保持者)が披露する地唄舞の二題『雪』『残月』は、ともに天明・寛政期に大阪で活躍し自由で変化のある曲風が特徴の峰崎勾当(みねざき・こうとう)が作曲した作品。
『雪』は地唄舞としても屈指の大曲で、恋に揺れ動く女心を描いた作品。峰崎勾当の息女が夭折(ようせつ)したことを偲んでつくられたと言われる『残月』も美しい旋律が広がる手事物の名曲の一つ。
過去にも大阪松竹座、京都南座をはじめ度々この二題の上演を重ねてきた玉三郎が、『雪』を2021年3月以来の5年ぶり2度目、そして『残月』を初めて歌舞伎座で披露する。
玉三郎は「歌舞伎座という大きな舞台で地唄2つというのも異色な感じがするんですけども、納涼歌舞伎ということでお許しいただければ。四季折々のものですけれども、お楽しみいただければと思います」と話した。
今回の第三部は午後7時開演という、歌舞伎としては遅い時間設定となっている。「新しい試み。会社終わりや食事の後でも来られる。しかも(午後)9時前にはお帰りいただける」と玉三郎。芝居はなく、舞踊のみの構成についても「歌舞伎は舞踊から始まった歴史もあります。そういう一晩があってもいいのではないかということで、こうなりました」と意図を説明した。
演出面では、『雪』は白い屏風で、『残月』は空舞台で演じる。衣装はいずれも自前の白い着物といい、「素材は違います。曲の違いがより見えてくるんじゃないか」とこだわりを明かした。
舞踊になじみのない観客へのアドバイスを求められると、独特の表現で答えた。
「ぼーっと見ていればいいんじゃないでしょうか。ただ見ればいいんです。僕自身、小さい頃から意味も分からず踊ってきました。30歳を過ぎて、いろんな方にいろいろ聞かれて、専門的な質問をされるようになり、調べてみて『あ、こういう意味だったのか』と後から認識することもありました。音楽と見た目の世界に、そのまま中に入っていけるかどうか」
さらに、舞踊における音楽の重要性を強調しながら、「音楽的にダメであれば、どんなに技芸を見せたところでお客様は納得できない。お客様に『見てよかった』と思ってもらえることをするのは、挑戦という言葉は使いたいたくないけれど、言わば挑戦になるわけです。もし内容が良くなかったら払い戻すシステムは松竹にはありませんが、僕は『ダメだったら払い戻ししてもらってもいい』くらいのつもりではいます」と舞台に懸ける決意を口にしていた。
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