衰退するパチンコ産業…レジェンドライター・アニマルかつみが語る現実と打開策「オンラインパチンコを」
パチスロライターとして活動するアニマルかつみは、攻略誌「パチスロ必勝ガイド」(ガイドワークス)でライターとしてデビュー。その後に、後輩ライター・ガル憎と立ち上げた誌面企画『THE MAD PACHI-SLOT BROTHER'S』は絶大な支持を集め、同名のバンドとして音源もリリースした。執筆、番組出演、パチンコ店での来店など多方面で30年以上活躍し続けるレジェンドに、今回は今後の展望や、パチンコ・パチスロの未来について語ってもらった。

パチンコ・パチスロ業界で活躍する人物にフォーカス、第1回はアニマルかつみ【後編】
パチスロライターとして活動するアニマルかつみは、攻略誌「パチスロ必勝ガイド」(ガイドワークス)でライターとしてデビュー。その後に、後輩ライター・ガル憎と立ち上げた誌面企画『THE MAD PACHI-SLOT BROTHER’S』は絶大な支持を集め、同名のバンドとして音源もリリースした。執筆、番組出演、パチンコ店での来店など多方面で30年以上活躍し続けるレジェンドに、今回は今後の展望や、パチンコ・パチスロの未来について語ってもらった。(取材・文=濱マモル)
「昨年、2025年に還暦という人生の大きな節目を迎えました。若い頃から先々のことは考えない。行き当たりばったりで、たまたまくじ運が良かっただけなんですよ。でも、さすがにこの歳になると、寄る年波にかなわないというのが多々ありますね。お酒も明日のことを考えてセーブするようになったとか。
よく言われるんですよ。後輩に『いつまでやるんですか?』って。それは知らないとしか、僕は言えない。幸い、今でも“書く”というスキルは、過去に比べたら何十ページも書くこともないけど、年齢なりに、それなりにある。若い頃とは違う書き方もできる。で、書きたいという欲求もある。コピーライターじゃないけど、キャッチひとつでバンッと決める。そっちの(仕事の)割合も増やせていけたらうれしいですね。来店なんて、水物だから」
広告宣伝規制の兼ね合いもあり、現在は“来店バブル再来”といった状況だ。ただ、それも“いつまで続くか分からない”とアニマルかつみは考える。
「たぶんね、これは僕だけじゃなくて、同年代のみんなは思ってること。15年前の東日本大震災の時に疑心暗鬼になって、実際に規制が入った地域とかもあったりして、こっち(来店)にシフトしてきた人たちはおろおろしてた。でも結局、この業界って“喉元すぎれば”っていうところがあって。もう、それの繰り返しなんですよ。まぁ業界がどうなるかは分からないけど、なくなることはないと思ってるし。僕なりに、30年のキャリアを越えた人間としてできることはあると、自分では信じてます」
SNS普及の影響で時代は変化「ユーザーさんは賢くなってる」
かつて、パチンコは日本を代表する大衆娯楽だったが、全国のパチンコ店舗数は減少の一途。ファン離れが深刻化している。
「業界自身がどうのこうのより、世の中全てを包括的に考えないといけない時期に来てるんじゃないかな。カジノ問題も、何年も前から言われてる。カジノが導入されて、すみ分けはどうするのか……とか。グレーな換金問題を含めてね。
パチンコ・パチスロって、言ってみれば、今も昔も時間消費型レジャー。パチンコ屋さんに行って、実体験をする。ところが、いわゆるZ世代と言われる方たちは、スマホ画面の中で集約させる。物心ついた時から、そういう娯楽がある。わざわざ足を運んで並んで、狙い台も考えても裏目に出て。『やってられっか!』って思っちゃう。今の若い人たちが、なにを目標にしてるか分からないけど、自分にとって(パチンコ・パチスロは)なんなのか。逆に聞きたいですよ」
パチンコはCR機からP機、パチスロは5号機から6号機へと移行。それでも、出玉競争は激化するばかりだ。
「(パチンコの)ラッキトリガーも激しくなっちゃって。分かるよ、当たるまで退屈だから。先バレにして、あとはひたすらスマホで動画を見てるのも。パチスロを打ちながらパチスロ動画を見てる人もいる。よく分からないけど、おかげで実戦動画というコンテンツがあって、たまにお世話になるんでね。違和感はあるけど、選択肢が多すぎるから。そういう中で、もっと頭のいい方々が模索してるとは思うんですけど、まぁしょうがないかな、こればっかりは」
SNSの普及。これも、パチンコ産業には大なり小なり影響を及ぼしているのではないかと言及する。
「ユーザーって言葉はあまり使いたくないんですけど、ユーザーさんは賢くなってる。で、SNSが発達して好きなことが言えるし、なにかちょっと言ったらすぐたたかれる。『この斜陽産業が!』って言いながら並んでる人もいるし。パチンコに限らず、変な世の中になっちゃたよね」
業界に求める新規ファン獲得のための工夫
アニマルかつみがパチスロを打ち始めた頃は、2号機の時代。まだ、パチスロはあまり世間に周知されていなかった。
「当時は、パチスロのシマ自体が近寄りがたい雰囲気。都道府県によって違ったけど、パチンコが7割で、パチスロは3割程度。1店舗につき、あっても2機種くらいだった。だから、店の出玉うんぬんよりも、あの店にはこういう機種があるから行く。そういう感じでしたよ。
レートも7枚交換が主流。メダルを借りた時点でお店の利益になってる。だから、出玉も見せられる。もちろん、勝つのが最終的な目的なんだけど、やっぱり時間消費型レジャーだから、当たって楽しいというのが重要。今は、当たる当たらない以前の問題で、パチンコに関しては回らない。これは1番の問題ですよ。“デカヘソ”とか出てるけど、デカくなってもボーダーより全然、回ってない。『まやかしやん!』ってなっちゃう」
今は、パチンコよりもパチスロに勢いがある。パチスロの出玉を盛り上げるべく、パチンコの調整を厳しくするお店も少なくない。
「賢くなったお客さんが、そういう構造、いわゆるパチンコ店の中のマネタイズを理解しちゃってるよね。で、興ざめしちゃってる部分もある。ハイエナ専門の人たちがいるでしょ? 4号機の頃はゾーン狙いとか。でも、僕はできない。打ちたいから。なんでもいいから打ちたい。店に入って、打たないで耐え忍んでまで日当を稼ぐという選択肢は、僕にはないんで」
そんな中、パチンコ業界はキャッシュレスへの動きが本格化しつつある。
「あくまで個人的な1つの理想形として思うのは、IoT技術を用いた“オンラインパチンコ”。それを、きちっと法整備して実現する。これから、さらに技術は進んでいくし、法整備で公平性、不正対策のエビデンスをきちっと整える。で、若い人たちに過去のものも含めたパチンコ・パチスロを好きなように打てるようにして……。そこで、“なにか”を感じてもらう。
VR空間のパチンコ店には、かわいい店員さんやコーヒーレディーもいる。そこで、たとえばパチンコ・パチスロでポイントを獲得したら、有名コーヒー店のクーポンがもらえる……とか。そういったバーチャル体験を重ねるうちに、実体験としてリアルなホールに行きたくなったら、行く……と。バーチャルな空間で獲得したポイントを、いくらか活用できる……といったプライズもアリで。今は駅前にパチンコ店も少ないし、そのくらいのことをやらないと、新規の若年層を増やすのは難しいんじゃないかなぁ」
目まぐるしく時代が変化する中、“時間消費型レジャー”のパチンコ産業は衰退。それでも、「なくなることはないと思う」とアニマルかつみは語る。新規ファン獲得のためには「IoT技術を用いた“オンラインパチンコ”」と提案。30年以上に渡って業界に関わり続けたレジェンドだけに、その言葉には説得力がある。
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