【カムカムエヴリバディ】安子役の森山良子が心掛けたこと「アメリカに行ったあとは視聴を止めました」

NHKの連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」(毎週月~土曜、午前8時)でアニー・ヒラカワこと安子を演じる出演する森山良子がこのほど、安子を演じる上で心掛けたことや、安子の印象、また、印象的だったシーンについて語った。

娘・るい(深津絵里)を抱きしめるアニー・ヒラカワこと安子(森山良子)【写真:(C)NHK】
娘・るい(深津絵里)を抱きしめるアニー・ヒラカワこと安子(森山良子)【写真:(C)NHK】

アニー・ヒラカワこと安子を熱演、娘・るいと感動の再会

 NHKの連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」(毎週月~土曜、午前8時)でアニー・ヒラカワこと安子を演じる出演する森山良子がこのほど、安子を演じる上で心掛けたことや、安子の印象、また、印象的だったシーンについて語った。

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「役作りのためにしたことは、ドラマの中の安子(上白石萌音さん)を見ていたこと。どういうふうに育って、どういういきさつでアメリカに行ったかということや、安子がしゃべる雰囲気とか、そういうところを見ていました。でも、結局自分っぽくなっちゃうものですからね。まねができるというものでもないですし、50年、60年のあいだに人も変わると思います。逆に、安子がアメリカに行ったあとの放送は見ていないんです。『お、ちょっとこれ見ちゃいけない』と思って、途中で視聴を止めました。私が知る必要がない内容だと思ったんです。安子はアメリカに行ってあえて日本に背をむけている。だから、ドラマで描かれている出来事をあまり情報として自分の中に入れてしまわない方が、そのまま安子が年をとってアニーになった感じが出せると思ったんです。だから演じていて安子の気持ちのままで日本に戻って、アニーになっているような感覚です」

 演じた安子の印象にも言及。

「安子は生まれてアメリカに行くまで、家柄の差や戦争など、いろんなことに阻まれてスッと生きてはこられなかった。それを思うと、本当にせつないです。稔さんのことも、ずっと大事だったと思います。一番最初に好きになった人とようやく一緒になれた喜びと、その大切な人があっというまに戦争にいって帰ってこなかったせつなさは本当にやるせない。言葉に表せないくらいつらかっただろうと思うし、そういう方たちがあの当時たくさんいらしたんだろうなと思います。これだけのつらい思いをした人がたくさんいた、という戦争に対するメッセージにもつながっていますよね。人の気持ちや人の歩んでいく道筋、心向きが繊細に描かれているので、ひとつひとつのセリフに感動しています」

 撮影で印象的だったシーンも紹介。

「るいとの再会のシーンが最初の撮影だったんですが、るいを見ただけでとても込み上げてくるものがあってるい役の深津絵里さんを何度も抱きしめたほど。るいに再会できてすごくうれしかったと言うと変ですが、母である安子の思いがとてもよく理解できて、私の中に安子が存在していることを感じました。るいへのせつない気持ちはずっとありましたね。深津絵里さんはすごくすてきな女性だなと思いました。母親と離れて生きてきたことを感じさせる、凛とした美しさと佇(たたず)まいというか、強さというか、そういうものがものすごく感じられてとても感動しました。他にも、おいのジョージから岡山に行くことを促される場面で、アニーは明日ここを発ってもう2度と日本には戻ってこないと強がりを言うんです。その言葉の背景にはここで自分がみんなの前に出ていったら、せっかく今みんなが幸せにしているものを台無しにしてしまう、私は私で、アメリカで幸せになっているんだからこれでいいんだと自分に言い聞かせている気持ちがあるんだと思います。自分の一番大切な娘のことですから片時も忘れていないんですが、自分から身を引くところに胸が詰まってしまいました。なんでこんなに強いの? 安子! って思うくらい。昔の日本の女性の慎ましくもたくましい一面を感じました」

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