【週末は女子プロレス#42】タイガー・クイーンとストロングスタイル女子の2年間 “衝撃初登場”からの快進撃

初代タイガーマスク率いるストロングスタイルプロレスでは、女子プロレスの試合も行われている。女性版タイガーマスク、タイガー・クイーンの衝撃デビューにより、今でこそ完全に定着した感のある女子の試合だが、初めて女子選手がこの団体のリングに上がったのは、今から2年前、2020年3・19後楽園ホールでのタッグマッチ、朱里&安納サオリ組VS松本都&彩羽匠組だった。この試合の成功が、タイガー・クイーン誕生のきっかけになったと言っても決して過言ではないだろう。

タイガー・クイーン誕生のきっかけとは?【写真提供:ストロングスタイルプロレス】
タイガー・クイーン誕生のきっかけとは?【写真提供:ストロングスタイルプロレス】

タイガー・クイーンの衝撃デビューで完全に定着した女子プロレス

 初代タイガーマスク率いるストロングスタイルプロレスでは、女子プロレスの試合も行われている。女性版タイガーマスク、タイガー・クイーンの衝撃デビューにより、今でこそ完全に定着した感のある女子の試合だが、初めて女子選手がこの団体のリングに上がったのは、今から2年前、2020年3・19後楽園ホールでのタッグマッチ、朱里&安納サオリ組VS松本都&彩羽匠組だった。この試合の成功が、タイガー・クイーン誕生のきっかけになったと言っても決して過言ではないだろう。

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 旗揚げ15年にして初めて組まれた女子プロレス。ストロングスタイルプロレスは初代タイガー全盛の時代、つまり昭和のストロンスタイル復興を最大のテーマとしているだけに、女子プロとはそれまで無縁の団体だった。女子選手をリングに上げることに関しては当然、反対もあったはず。しかし、現在のプロレス界では女子と男子の選手が当たり前のように対戦、世界最大のプロレス団体WWEでは女子の試合がビッグイベントのメインを飾るケースも増えている。WWEと言えば、ストロングスタイルプロレスの新間寿会長はWWEの前身WWFで会長も務めたホール・オブ・フェーマー(殿堂者)。それだけに、女子の試合は時流に乗ったストロングスタイル改革案でもあったのだ。

 3・19後楽園の成功は、旬の選手を集めたことがなによりも大きいだろう。その結果、女子プロを知らないファンにも試合内容でアピールできたのだ。朱里(現スターダム、本稿掲載時点でワールド・オブ・スターダム王者)はシングル、タッグの両戦線において実績を残し渡米、総合格闘技UFCで世界の舞台を経験し、前年プロレス界に戻ってきてばかりだった。安納は女優との兼業をコンセプトとするアクトレスガールズの絶対的エースとして君臨、前年にフリーとなり、プロレス界での飛躍を視野に入れているところだった。

 彩羽は長与千種が旗揚げしたMarvelous(マーベラス)の若きエース。クラッシュギャルズの長与に憧れ、その長与が作った団体に飛び込んだのである。現在、彩羽は長与イズムを引き継ぎ女子プロ界のエースとも呼べる存在にまで成長。この3人の現在の活躍ぶりからしても、この人選がいかに正解だったかが分かるだろう。

 そして、このカードをマッチメークしたのが、意外にも松本都。一見、ストロングスタイルとは遠く離れた異端の存在ながら、しっかりと女子プロ界の状況を分析、女子の経験がない団体に新風を巻き込んでみせたのである。自身のプロモーション、崖のふち女子プロレスをプロデュースしているだけに、そのあたりはけっこう抜かりない。

 次回大会(20年6・26後楽園)でも都プロデュースによる女子の試合(朱里&尾崎妹加組VS松本都&優宇組)が組まれ、女子路線は波に乗る。ここからは、ストロングスタイルプロレスで行われた女子のカードを列記していこう。いかにバラエティーに富んだ顔ぶれか、分かっていただけるのではなかろうか。

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