韓ドラ「梨泰院クラス」、Netflix「トップ10入り」続くワケ “沼る”背景を探る

Netflixで配信中の韓国ドラマ「梨泰院クラス」が存在感を放っている。同ドラマは2020年3月28日にNetflixでの独占配信がスタートしたが、それから2年がたっても連日「今日の総合TOP10」にランクイン。根強い人気の理由とは何なのか。

主人公の恋人チョ・イソを演じた女優のキム・ダミ【写真:Getty Images】
主人公の恋人チョ・イソを演じた女優のキム・ダミ【写真:Getty Images】

BTSのVがOST「Sweet Night」を担当

 Netflixで配信中の韓国ドラマ「梨泰院クラス」が存在感を放っている。同ドラマは2020年3月28日にNetflixでの独占配信がスタートしたが、それから2年がたっても連日「今日の総合TOP10」にランクイン。根強い人気の理由とは何なのか。

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「梨泰院クラス」は韓国のケーブルテレビ局JTBCで20年1月31日から3月21日まで放送され最終回の放送後、間もなくしてNetflixでの配信が始まった。ソウルの歓楽街・梨泰院(イテウォン)を舞台に、俳優のパク・ソジュン演じる主人公パク・セロイが国内最大の飲食業グループの打倒と自身の成功を目指して異端児の仲間らとともに奮闘する姿を力強く描いた。

 同ドラマは韓国で高視聴率を記録し、Netflix配信ドラマとしては放送国の韓国のほか、香港、フィリピン、マレーシア、シンガポール、台湾、タイなどで人気を集めたが、日本での人気が突出して高い。

「『梨泰院クラス』で悪役の御曹司チャン・グンウォンを憎らしく演じた俳優のアン・ボヒョンが昨年9月25日放送のフジテレビ系バラエティー『あしたの内村』に出演して韓流ドラマについて裏話を披露していましたし、ボヒョンが人気若手女優のハン・ソヒと共演したハードサスペンス『マイネーム』が10月15日からNetflixで配信されランキング上位を獲得していました。韓国ドラマを好むファン層はこれらに登場したボヒョンの姿を見てそのギャップに驚き、再び『梨泰院クラス』に注目したのです」(放送ライター)

 アン・ボヒョンだけではない。「梨泰院クラス」で主人公の恋人チョ・イソを演じた女優のキム・ダミも最近までNetflixランキング上位に顔を見せていた青春ドラマ「その年、私たちは」に、映画「パラサイト」に出演した俳優のチェ・ウシクとダブル主演していた。

「『梨泰院クラス』でキム・ダミが演じたチョ・イソはソシオパスという設定で年上の女性にビンタをくらわす強烈な女性です。Netflix日本で1位となった『その年、私たちは』ではバリバリのキャリアウーマンながら昔の恋を引きずる繊細な女性を演じています。やはりこちらも両者のギャップがすごくて、ついつい『梨泰院クラス』をリピートしてしまうのでしょう」(同)

 Netflix配信ドラマ「愛の不時着」に出演した女優のソン・イェジンと俳優のヒョンビンが2月10日に結婚することを発表したことで同ドラマは再度ランキングを駆け上がったが、その『愛の不時着』に北朝鮮の婦人役で出演していた女優チャ・チョンファは「梨泰院クラス」第3話に権力を振りかざす区長の妻役で出演。特徴的な表情で視聴者に強い印象を残した。こうしたキャストつながりが韓国ドラマに“沼る”理由のひとつだろう。

 また、世界的人気を誇るBTS(防弾少年団)のV(テテ)が「梨泰院クラス」のOST「Sweet Night」を、「その年、私たちは」のOST「Christmas Tree」をそれぞれ担当する、という共通点もある。「これまで配信されたNetflixの韓国ドラマの中でも『愛の不時着』と『梨泰院クラス』は脚本、キャスト、セット、ロケ、カメラワークともに突出した仕上がりです。さらに言うと、『梨泰院クラス』は社会の周縁に追いやられた人たちが努力と知略と友情でのし上がっていくサクセスストーリーとなっています。日本ではこの30年間、平均賃金が上がらず成功を夢見るのも難しい状況が続いています。こうした社会背景がとくに日本で繰り返し視聴される要因かもしれません」(同)

「梨泰院クラス」は暗い気持ちを吹き飛ばす元気の出るドラマというわけだ。

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