歴史好き芸人・房野史典×歴史研究家・河合敦 異色タッグで歴史本執筆の理由

吉本興業の歴史好き芸人・房野史典氏と歴史研究家・河合敦氏(以下敬称略)との共著「超現代語訳×最新歴史研究で学びなおす 面白すぎる!日本史の授業」(あさ出版)が、24日に発売となった。房野はお笑いコンビ「ブロードキャスト!!」のツッコミ担当ながら、無類の戦国武将好きで歴史普及活動を行っている。これまでに戦国時代や幕末を分かりやすい現代語訳で解説した著書を出版しており、本書は飛鳥時代から幕末までがテーマ。歴史概要や通説を房野が分かりやすく紹介しながら河合に質問し、河合がさらに詳しい最新の歴史を解説している。房野と河合の“往復書簡スタイル”で、歴史が苦手な人でも読みやすい形式となっている。

往復書簡スタイルの歴史本を発売した房野史典(右)と歴史研究家・河合敦(左)【写真:ENCOUNT編集部】
往復書簡スタイルの歴史本を発売した房野史典(右)と歴史研究家・河合敦(左)【写真:ENCOUNT編集部】

歴史本を出版しまくる房野「歴史の仕事のウエイトが増えました(笑) 」

 吉本興業の歴史好き芸人・房野史典氏と歴史研究家・河合敦氏(以下敬称略)との共著「超現代語訳×最新歴史研究で学びなおす 面白すぎる!日本史の授業」(あさ出版)が、24日に発売となった。房野はお笑いコンビ「ブロードキャスト!!」のツッコミ担当ながら、無類の戦国武将好きで歴史普及活動を行っている。これまでに戦国時代や幕末を分かりやすい現代語訳で解説した著書を出版しており、本書は飛鳥時代から幕末までがテーマ。歴史概要や通説を房野が分かりやすく紹介しながら河合に質問し、河合がさらに詳しい最新の歴史を解説している。房野と河合の“往復書簡スタイル”で、歴史が苦手な人でも読みやすい形式となっている。

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 本書の発売を記念し、東京・六本木の本屋「文喫」でトークショーが行われた。トークショー開始前に本書について話を聞いた。(取材・構成=コティマム)

――「超現代語訳×最新歴史研究で学びなおす 面白すぎる!日本史の授業」ですが、これから読まれる方のために内容を教えてください。

房野史典(以下房野)「『超現代語訳×最新歴史研究』って書いてあるんですけど、まさにこれですね。房野が超現代語訳で歴史のテーマを1つピックアップして、『この時代はこんな感じです。こんなことがありました』とおさらいします。『ここの詳しい部分は、河合先生教えてください!』と、本の中で先生にパスしています。先生がそれを受け取って、『最新歴史研究で今はこうなっていますよ』と、僕と読者に最新の情報を教えてくれる。本当に、すごい本です!!」

――質問を投げかける形式で書いてみようと思ったきっかけは?

河合敦(以下河合)「依頼です(笑)。でも過去に房野さんと僕が行った歴史対談がネットに載っていて、それが面白かったみたいで(編集さんから)声をかけていただきました」

房野「僕が過去に歴史関係の本を出して、河合先生にインタビューのお相手になっていただいたんです。その時に『今の歴史は、最新の説ではこんなことになっています』と情報を教えていただいて、そこがこの本のベースになっています」

――房野さんは過去に歴史を超現代語訳にした本をいくつも出されています。この超現代語訳はもともと個人でされていたのですか?

房野「僕がFacebookで勝手に書いていたものが、出版社さんからオファーいただいて本になりました」

――これまでの著書も今回の本も、かなり詳しく歴史について解説されていますが、大学で歴史を研究されたり、教員免許を取得されたのでしょうか?

房野「いや、経済学部でめちゃくちゃ遊びほうけてました(笑)」

――もともとの歴史好きはどこから?

房野「小学生の頃です。戦国時代が好きで、当時は戦国時代だけしか好きじゃなかった。武将が好きで。頭を使って作戦を考えて、何万対何万(の兵)が戦うというのがもう魅力的で!『信長の野望』というゲームをやるために、友達と遊ばずに一目散に帰ってましたね。ゲームを買った時期は、『なんで房野は最近帰るの早いんだろう』と言われるくらい熱中してました。大人になるにつれて、(興味が)他の時代にも広がりました」

――その知識はどうやって身につけたのですか?

房野「本ですね。近年が一番読んでます。歴史が仕事になっちゃったから(笑)」

――専門家の河合先生から見て、房野さんの知識はいかがですか?

河合「本当に深いです。『信長の野望』だけじゃなくて、そこからさらに深く学説を読んでらっしゃる。今回は特に、僕より詳しくて細かく書いている。歴史学にのっとって、それを面白く崩して一般に向けて書けるという才能はすごい!」

房野「すごいな!お腹いっぱいです!」

――房野さんは歴史の仕事をするようになって、お笑いの時とファン層は変わりましたか?

房野「確かに変わりました。子どもがファンになってくれたことが一番うれしいです。分かりやすく、かみ砕いて書いているので、お子さんから『房野先生』と呼ばれるのが超うれしい!もちろんお笑いにも子どものファンはいますが、お笑いはメディアでバコーンと売れたり、すごいギャグを持っていないと、子どもがめっちゃ食いつくことはそんなにないんです。歴史をやるようになって、子どもたちがファンになってくれました」

――歴史を普及するお仕事が増えていますね。

房野「歴史の仕事のウエイトが増えました(笑)。数は多くないですが、お笑いライブはたまーにやりますって感じです」

――相方の吉村憲二さんはこの本を読まれていますか?

房野「僕がこういう活動をしていることについて、トークしたことがないんです(笑)お笑いライブで会うけど本を渡したりもないし」

――同じ吉本興業のお笑いトリオ「ロバート」の秋山竜次さんが、料理研究家の活動が増えた相方の馬場裕之さんに対して、「ネタを書け!」と冗談で怒っていたことがありますが(笑)、房野さんは相方さんから怒られたりしていないですか?

房野「それがね、しゃべらないからよくわからないんですよね(笑)相方は配信系の仕事をしていて、僕が歴史の仕事。楽屋で会っても仲良く普通にしゃべりますが、お互いの仕事の話はしません(笑)。ライブの時はただ2人でキャッキャしています」

次のページへ (2/3) 近現代が専門の河合「専門に入る前に終わってます(笑)今回売れたら第2弾で」
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