「結婚28年」松本伊代が語った家族 ヒロミとの子育て、驚きだった長男の芸能界入り

「伊代はまだ16だから」――。歌手本人の名前が織り込まれた画期的なデビュー曲「センチメンタル・ジャーニー」(1981年)で一躍トップアイドルとなった松本伊代さん。40周年の節目にあたる今年、そのデビュー曲を手がけた筒美京平(作曲)・湯川れい子(作詞)のコンビによる新曲を含む記念アルバム「トレジャー・ヴォイス」をリリースした。今後の音楽活動にも期待が高まる松本さんに、“理想の夫婦”と言われるヒロミさんとの家庭生活や息子さんとの関係、タレント活動との両立などについて語ってもらった。

デビュー40周年を迎えた松本伊代【写真:荒川祐史】
デビュー40周年を迎えた松本伊代【写真:荒川祐史】

「役者になりたい」長男の言葉に驚いた

「伊代はまだ16だから」――。歌手本人の名前が織り込まれた画期的なデビュー曲「センチメンタル・ジャーニー」(1981年)で一躍トップアイドルとなった松本伊代さん。40周年の節目にあたる今年、そのデビュー曲を手がけた筒美京平(作曲)・湯川れい子(作詞)のコンビによる新曲を含む記念アルバム「トレジャー・ヴォイス」をリリースした。今後の音楽活動にも期待が高まる松本さんに、“理想の夫婦”と言われるヒロミさんとの家庭生活や息子さんとの関係、タレント活動との両立などについて語ってもらった。(インタビュー・文=濱口英樹)

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 早いもので結婚して28年が経ちました。長男(俳優の小園凌央)は26歳、次男は23歳。2人とも「貯金ができるまで、もう少しいさせてください」と言うので、今も親子4人で暮らしています。ヒロミさんは「お前たち、いつまでいるんだよ~」と言いながらも、子どもたちと一緒にいるのが好きみたいで、帰宅すると「2人は? いるんだったらご飯を食べに行こう」って。ママのまずいご飯よりは外で美味しいものを食べたいだけかもしれませんけど(笑)。

 息子たちにとって、ヒロミさんは今も怖い存在だと思います。私はこう見えて押しつけがましい母親で(笑)、子どもが小さかった頃は怒ってばかり。主にしつけに関することでしたけど、「早く食べなさい」とか「兄弟げんかはやめなさい」とか、年中ガミガミ言っていたので、当時を知る人からは「伊代さん、よく怒ってましたよね」と今でも言われます。でも、ある時ヒロミさんが「ママ、そういう風に怒ると子どもは言うことを聞かないよ。怒る時は一旦冷静になって、きちんと話をしてからでないと」って。そう言われてからはヒステリックに怒るのをやめて、なるべく子どもの位置に立つように心がけるようになりました。

 家では細かいことを怒るのは私の役目。問題が大きくなった時はパパの出番です。ヒロミさんが怒るのは最終段階ですから、そういう時に私は怒らない。「2人で一緒に怒るのはやめよう」と決めています。それから夫婦でお互いの悪口は言いません。私は子どもの前でヒロミさんのことを悪く言わないし、ヒロミさんも「ママがいちばん大切」と言ってくれています。“理想の夫婦”と言われることですか? もちろんうれしいことですけれども、それを意識したことはないかな。あ、でも今年、ある調査(明治安田生命による「理想の有名人夫婦」)で初めて1位になったと知った時は、「なったみたいだよ」という会話はしました。

 私自身は姉との2人姉妹だったので、男の子を育てるのは日々新鮮でした。面白いなぁと思ったのは兄弟で性格が違うこと。長男はすごく真面目で自分の意見をしっかり持っているんですが、その一方で周りのことが気になるタイプ。おそらく家族で出かけた時、通りすがりの人に「あれ、松本伊代だよね。ヘンな格好」ってささやかれたことを聞いてしまったんでしょうね。「外に出る時はちゃんとした格好をしろよ」と言われます。両親が芸能人ということで、私たちには分からない苦労があったのだと思いますが、悪目立ちするのが嫌なようで、授業参観に行った時、私が軽く咳払いをしただけでにらまれたこともありました(笑)。

 大学生の次男はバンド活動をしていて、現在は就活中ですが、お兄ちゃんと違って“俺流”というか、周囲のことはあまり気にしない性格です。たとえば友だちとカラオケに行った時、長男は私の歌を歌わされるのが苦痛だったようなんですけど、次男はそういうことも楽しめる。高校まで野球に夢中でキャッチャーをやっていたからなのか、むしろ周囲を巻き込んでいく力があるように思えます。

 そういう兄弟でしたから、目立つことが嫌いなのだと思っていた長男が「役者になりたい」と言ってきた時は驚きました。実は6歳の頃から興味があったらしいんですけど、それを聞いて、学芸会の時に「いい役じゃなきゃ嫌だ」みたいなことを言っていたのを思い出しました。

“2世”と言われるのを覚悟しての決意だったと思うので、芸能界を目指すことに反対はしませんでした。せっかくやりたいことがあるのに、親の反対であきらめさせることはしたくなかったですし。その後は自分でいろんなオーディションを受け始めて、受かったところがヒロミさんがよく知っている社長さんの事務所だったんです。それでヒロミさんが電話をして「うちの息子です」と言ったら「え、そうなの?」みたいな(笑)。

 子どもは2人とも成人しましたが、家では今でもヒロミさんが大黒柱。パパを中心に家族がまとまっている感じがします。夫婦で大事にしているのは家族で話をする時間ですね。家にいると息子たちは自分の部屋に行ってしまって、食事をする時くらいしか顔を合わせることがないのですが、男の人って食べるのが早いでしょう? 私が座った時には食べ終えて席を立つことが多いので、いろいろな話は外食をした時にするようにしています。

 家では基本的に私が料理をしていますが、長男は時々手伝ってくれて、私の体調が悪い時は全部やってくれたりします。特に和風のパスタが得意で、私が作るよりもよっぽど美味しい(笑)。ヒロミさんは最近もっぱら洗い物の担当なんですが、シンクが汚れているのが許せないタイプ。私は料理をしながら片付けることができないし、「みんなが食べ終わる前に」と思って急いで食卓につくと、早く食べ終えたパパに散らかしたままのシンクを見られて「チ!」って舌打ちされることがあります(笑)。

 ヒロミさんはとても几帳面なので「なんでこんなに汚くできるかなぁ。これを見ただけで嫌いになれるよ」って言うんですけど、そうこぼしながらもきちんと後片付けをしてくれる。今年の6月に私が胸椎の圧迫骨折で全治1か月半と診断された時も、自宅で一生懸命介護してくれましたから、パパには感謝の言葉しかありません。

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