北野高校から慶大、ニューヨーク大学留学 芸名から本名に戻した28歳女優の現在地

女優の阿部純子(28)が舞台に初挑戦する。「大阪環状線 大正駅編 ~愛のエイサー プロポーズ大作戦~」(大阪松竹座、12月11日~25日)で、主人公の幼なじみの女優役を演じる。来年2月には、ヒロインを務める映画「リング・ワンダリング」も公開予定。演じることへの思いなどを聞いた。

芸歴11年目での舞台デビューについて語った阿部純子【写真:荒川祐史】
芸歴11年目での舞台デビューについて語った阿部純子【写真:荒川祐史】

阿部純子インタビュー、来年2月公開の映画「リング・ワンダリング」でヒロイン

 女優の阿部純子(28)が舞台に初挑戦する。「大阪環状線 大正駅編 ~愛のエイサー プロポーズ大作戦~」(大阪松竹座、12月11日~25日)で、主人公の幼なじみの女優役を演じる。来年2月には、ヒロインを務める映画「リング・ワンダリング」も公開予定。演じることへの思いなどを聞いた。(取材・文=平辻哲也)

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 2010年に映画「リアル鬼ごっこ2」で映画デビューし、河瀬直美監督の「2つ目の窓」(14年)のヒロイン役、NHK朝の連続テレビ小説「とと姉ちゃん」など出演で知られる阿部。芸歴11年目での舞台デビューに、自身も「ちょっと遅かったですよね」と話す。

「ずっとやりたいと思っていたんです。昔からミュージカルは結構好きでしたし、知り合いが出ている舞台は必ず拝見していました。ただ、ミュージカルには尊敬の眼差しがずっとあって、まさか自分が歌って踊るとは思わなかったんです。今回チャンスをいただいたので、頑張らないと」と声に力を入れる。

「大阪環状線 大正駅編」は関西テレビ制作のオムニバスドラマの舞台化第2弾。廃部寸線の吹奏楽部を救うために、音楽教師の主人公(今江大地)が、女優になった幼なじみ(阿部)に協力をお願いし、吹奏楽部のクリスマスコンサートを盛り上げに奮闘する……。

 稽古は11月から始まっている。「自分の出来なさに心を痛めつつ、日々頑張っています。舞台はミュージカル仕立てで、お芝居の他に踊りや歌があって4曲くらい歌うんです」。

 幼少の頃からフルート、ピアノを習っていたが、人前で歌を歌うことはほとんどなかった。「普段はカラオケにも行かないので、歌唱レッスンを受けながら、ドキドキしながらやっています。目の前にお客さんがいらっしゃるのも初めて。初舞台では頭が真っ白になるっていう話も聞いているので、自分はどうかなという不安もありますけど、毎回、発見がありますし、お芝居を受けての反応も毎回違うと思うので、映像とは違った、生の楽しみが味わえるのはうれしいですね」。

 来年2月には、ヒロインを務めた映画「リング・ワンダリング」の公開も控える。「アルビノの木」が世界の映画祭で評価された金子雅和監督の最新作で、漫画家志望の青年・草介(笠松将)が、物語の題材としたニホンオオカミを調べているうちに、現代と戦中の行き交うファンタジー。阿部は昭和初期の写真店の娘役と劇中で展開される漫画の物語のヒロインという2役を演じ分けた。

「金子監督の作品をいくつか拝見し、目に見えないものに大きな意味を持たせているんだなと感じました。脚本を読んだだけでわからない部分が多かったので、金子監督に委ねて、作品の一部になろうと思いました。新聞社が集めた体験談や庶民の暮らしの記録を集めた『なんにもなかった』(暮しの手帖社)などを参考にさせていただきました。役を作る上では、根っこの部分が大事なのかなと思ったので」

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