【二月の勝者】桜花ゼミナールを襲う電車の騒音と「窓」の深い意味 撮影は時刻表との“戦い”

俳優の柳楽優弥が主演する日本テレビ系連続ドラマ「二月の勝者‐絶対合格の教室-」(毎週土曜、午後10時)の第7話が27日に放送された。激変する受験界に舞い降りた最強で最悪のスーパー塾講師・黒木蔵人が中堅進学塾・桜花ゼミナールの校長として小学生の中学受験合格を導く痛快ドラマ。この日は桜花ゼミナールの姉妹校である個別指導塾ブルーミングのプレ開校と窓から見える電車の往来が映し出された。この電車の騒音がドラマに大きな影響を与えている。

「二月の勝者-絶対合格の教室-」で主演を務める柳楽優弥【写真:荒川祐史】
「二月の勝者-絶対合格の教室-」で主演を務める柳楽優弥【写真:荒川祐史】

第2話で登場した生徒・加藤匠は鉄道おたく

 俳優の柳楽優弥が主演する日本テレビ系連続ドラマ「二月の勝者‐絶対合格の教室-」(毎週土曜、午後10時)の第7話が27日に放送された。激変する受験界に舞い降りた最強で最悪のスーパー塾講師・黒木蔵人が中堅進学塾・桜花ゼミナールの校長として小学生の中学受験合格を導く痛快ドラマ。この日は桜花ゼミナールの姉妹校である個別指導塾ブルーミングのプレ開校と窓から見える電車の往来が映し出された。この電車の騒音がドラマに大きな影響を与えている。

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(※以下、ドラマの内容に関わる記述があります)

 ハードな夏期講習を乗り切った桜花ゼミナールの生徒たちはまた1歩成長した。9月に入り志望校を選ぶ保護者面談がスタート。親子ともども受験への意識が本格的に高まった。そんな中、Rクラスの生徒・石田王羅(横山歩)は自習室で遊んでばかりで、他の生徒から「うるさい!」と何度も注意される。担任の新人講師・佐倉麻衣(井上真央)は、どうすれば王羅が勉強する気になるのか悩んでいた。

 校長の黒木は他の生徒たちに迷惑をかけている王羅を、桜花ゼミナールが入居するビルの5階にプレオープンする姉妹校の個別指導塾ブルーミングに転校させる決断を下した。その後、黒木を桜花ゼミナールに迎え入れた社長の白柳徳道(岸部一徳)が教室で現在の心境を佐倉に尋ねるシーンが登場する。

白柳「けっこう電車の音が入ってきますね。今度、防音サッシにしますか。それか窓をふさいでしまうか」

佐倉「いや、それはダメです」

白柳「そうですか……。どうですか。半年過ぎましたが」

佐倉「子どもたち、みんな顔付きが変わってきて。受験生らしくなってきたと思います」

白柳「子どもたちだけじゃなく、変わったのはあなたの方じゃないですか。受験はこれから追い込みに入ります。黒木先生を助けてあげてくださいね」

佐倉「はい……。いえ、助けられているのは私のほうです」

白柳「……。やっぱり窓はこのままにしておきますかね」

 白柳と佐倉のなにげない会話には深い意味があるという。

「第7話では王羅が他の生徒に迷惑をかけ続けていることや、王羅の母・三枝子(岩崎ひろみ)が『うちは夫と死別して母子家庭なんです。王羅の面倒を見てくれる時間が1番長いのが塾なんです』と入塾の理由を明かす様子が描かれていました。黒木は問題児の王羅を切り捨てるのではなく、ブルーミングに転校させます。つまり、窓を閉めてしまうのではなく新しい窓を開けることで王羅を受け入れたのです。電車の騒音が窓からかなり入ってきても社長の白柳が『やっぱり窓はこのままにしておきますかね』とつぶやいたのはそのあたりを表現しているようです。騒音は王羅、窓は桜花ゼミナールとブルーミングのメタファー。黒木が『勉強にむいていないとしても塾に通わない理由にはなりません』と佐倉に言い聞かせるせりふはその伏線でしょう。今回も非常に味わい深い脚本でした」(放送ライター)

 電車といえば、第2話で最下位Rクラスの生徒・加藤匠(山城琉飛)の鉄道おたくぶりが描かれた。授業中いつも窓の外をぼーっと眺めている匠。気になった佐倉が匠の机を見るとそこには細かい数字がびっしりと書き込まれていた。1904、1905、1906、1907、1910、1911、1913、1914、1915……。匠は午後7時台の電車の通過時刻を記録していた。ドラマの舞台となっている東京・吉祥寺駅はJR総武線、中央線、京王井の頭線の電車がひっきりなしに発着、通過する。線路から聞こえてくる電車の騒音は相当なものだ。

「名門受験塾ルトワックのトップ講師・灰谷と黒木が線路付近で会話をするシーンがたびたび登場しますが、電車が1分、2分間隔で近くを通過するのでスタッフは騒音とかぶらないよう気を張り詰めて撮影しているようです。2人の会話シーンには役者とスタッフの苦労が凝縮されています」(同)

「二月の勝者」と電車には深い縁があった、というわけだ。

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