医師が解説 瀬戸内寂聴さんの生き方を見習って、99歳まで元気に暮らす方法

多くの人が「うらやましい」と思っただろう。9日に亡くなった瀬戸内寂聴さんは99歳まで生きることができた。作家として400冊以上の著作を生み出し、多くの芸能人や著名人と交流を深め、反戦集会で人々に呼びかけるなど最期まで精力的に活動。普通の人の数倍に匹敵する実りの多い人生だった。寂聴さんはなぜ長命を保つことができたのか。

医学博士・米山公啓氏が解説(写真はイメージ)【写真:写真AC】
医学博士・米山公啓氏が解説(写真はイメージ)【写真:写真AC】

おしゃべりと毎日の笑いが大事

 多くの人が「うらやましい」と思っただろう。9日に亡くなった瀬戸内寂聴さんは99歳まで生きることができた。作家として400冊以上の著作を生み出し、多くの芸能人や著名人と交流を深め、反戦集会で人々に呼びかけるなど最期まで精力的に活動。普通の人の数倍に匹敵する実りの多い人生だった。寂聴さんはなぜ長命を保つことができたのか。

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 寂聴さんは生前、自身の長寿の秘けつとして数項目を挙げていた。その一部が「おしゃべりをする」「毎日笑う」である。イベントやテレビへの出演で、寂聴さんは常に笑顔を絶やさなかった。ユーモアのセンスもある。そして饒舌だった。

 こうした生き方は人にどんな影響を与えるのか。医学博士の米山公啓氏に解説してもらった。

「長生きの人たちには頭がはっきりしているという共通点があります。逆に言うと、ボケ防止ができていれば人は長寿になれるのです。しゃべるという行為はストレスの発散になり、このことが脳の活性化につながる。頭がシャッキッとします。寂聴さんのもとには大勢の人たちが訪れ、お互いに会話を楽しんでいた。ボケるはずもありません。同じように我々も知らない人と出会って、日々新しい情報に接したほうがいい。趣味のサークルに入るなど他人から刺激を受けるのです。そういう意味で、新しいことに挑戦する姿勢が大切と言えます。さらに言えば、本音や愚痴を言える人を作っておく。晩年の寂聴さんは30代の女性秘書と二人三脚で活動していました。彼女に自分の気持ちを吐露することで脳を若返らせていたと考えられます」

 笑いも脳に良い影響を与える。人は他人との会話で笑うもので、相手の話を理解しようという前向きの活動が脳の活性化をキープ。同時に声を出し笑うことで脳内に快感物質のドーパミンが分泌されてリラックスできる。こうした行為がストレスを解消し、心身を元気な状態に保つのだ。テレビのお笑い番組やTikTokの変わり種動画を見て大いに笑うことが重要だと米山氏は言う。

次のページへ (2/2) 肉食と人のために尽くすことも元気で長寿の秘けつ
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