【週末は女子プロレス♯13】タイガー・クイーンが衝撃デビューも…“仕掛け人”酷評の真意とは

初代タイガーマスクのデビューから40年の今年、女性版タイガーマスクがさっそうとデビューした。初代タイガーの佐山サトルがプロデュースし、女子プロレスのリビングレジェンドであるジャガー横田がコーチしたタイガー・クイーンは、ストロングスタイルプロレス7・29後楽園ホールで山下りなを相手に衝撃の初登場。「40年前を再現できる」(佐山)、「タイガーのクローン」(ジャガー)とのコメントは誇張でもなんでもなく、初代を知る世代のノスタルジーを喚起するどころか、女性版の正統な後継者という新鮮なインパクトまで残してみせた。プロレスとは見る者にカタルシスを与えるスポーツである。その点でも、クイーンは合格点のデビュー戦をやってのけたと言っていい。

タイガー・クイーン(左)はデビュー戦後、各方面から大絶賛されている【写真:新井宏】
タイガー・クイーン(左)はデビュー戦後、各方面から大絶賛されている【写真:新井宏】

タイガーマスクの“女性版”正統後継者として合格点のデビュー戦

 初代タイガーマスクのデビューから40年の今年、女性版タイガーマスクがさっそうとデビューした。初代タイガーの佐山サトルがプロデュースし、女子プロレスのリビングレジェンドであるジャガー横田がコーチしたタイガー・クイーンは、ストロングスタイルプロレス7・29後楽園ホールで山下りなを相手に衝撃の初登場。「40年前を再現できる」(佐山)、「タイガーのクローン」(ジャガー)とのコメントは誇張でもなんでもなく、初代を知る世代のノスタルジーを喚起するどころか、女性版の正統な後継者という新鮮なインパクトまで残してみせた。プロレスとは見る者にカタルシスを与えるスポーツである。その点でも、クイーンは合格点のデビュー戦をやってのけたと言っていい。

 アニメ「タイガーマスク」のエンディングテーマ「みなしごのバラード」のイントロから一転、クイーンつながりと言うことか、伝説のロックバンド、クイーンの「ドント・ストップ・ミー・ナウ」に入場テーマ曲が変換。大ヒット映画「ボヘミアン・ラプソディ」のエンドロールでも聴かれるこの曲のグルーブ感が、よりいっそうの期待感を煽っていく。

 クイーンはコーナーに飛び乗り指を天に突き上げるパフォーマンスから、試合が始まれば軽快なタイガー・ステップ、さらにはタイガー・スピンやクロスボディーアタック、サルトモルタルなど次々と四次元殺法と呼ばれたタイガー・ムーブを披露。しかも単なる技の羅列には映らず、佐山が常日頃から主張する闘う過程において繰り出される戦法に見えるから驚いた。

 そのほとんどがタイミングもバッチリで、たとえ彼女が既存レスラーの変身だとしても、正体を憶測させる暇さえ与えない(真のデビュー戦だとしたら、それはそれでとんでもない逸材だ)。そして最後は初代のオリジナルで現在も多くのレスラーに受け継がれているタイガー・スープレックス・ホールド。ダイナマイト・キッドとの初対戦以上に、その先に披露した必殺技まで繰り出したのである。

 試合後には各方面から絶賛されたクイーン。たとえば初代タイガーをリアルタイムで撮影していた大ベテランの犬童嘉弘カメラマンも、クイーンの動きに舌を巻いたひとりだ。「素晴らしかったよ。雰囲気もあったし、動きは完璧に近い。さすがにダイビング・ヘッドバットは距離がありすぎたけど、ほかは全てタイガーらしかったよね。技の形も崩れないし、カメラマンとしては撮りやすい。初代同様、画になる選手ですよね」

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