【週末は女子プロレス♯5】「傾奇者」名乗るウナギ・サヤカ “女・花の慶次”がプロレスにのめり込んだワケ

ウナギ・サヤカとは、スターダムに所属する女子プロレスラーである。プロレスラー、しかも女性で、リングネームがウナギとは? ウナギはもちろん“鰻”のカタカナ表記だ。一度見たら忘れない、インパクト大のリングネーム。どうして彼女は、ウナギを名乗るのだろうか?

スターダムの傾奇者ウナギ・サヤカ【写真:新井宏】
スターダムの傾奇者ウナギ・サヤカ【写真:新井宏】

高校時代にチアリーディング全国優勝、地下アイドルも経験

 ウナギ・サヤカとは、スターダムに所属する女子プロレスラーである。プロレスラー、しかも女性で、リングネームがウナギとは? ウナギはもちろん“鰻”のカタカナ表記だ。一度見たら忘れない、インパクト大のリングネーム。どうして彼女は、ウナギを名乗るのだろうか?

「ふつうに私、ウナギがこの世で一番おいしい食べ物だと思っているんです。嫌いな人なんていないと思ってます。レスラーっていっぱいいるけど、プロレスをまったく知らない人が見ても、ウナギ?なんだこれ?ってなると思うんですよね」

 やはり、ウナギのリングネームは“狙い”だった。インパクト重視は、「目立ちたい」という願望の現れ。そもそも、発想自体が斬新でユニークだが、そのいでたちも、数多い女子プロレスラーの中で突出したカラフルさ。これもやはり狙いの内で、ウナギは自ら「傾奇者(かぶきもの)」を名乗る。

 傾奇者とは、戦国時代から江戸時代にかけて流行した、ど派手な服装に身を包んだ人たちのこと。彼らは世間への反抗心を派手な服装で表現していたのである。プロレスラー、ウナギ・サヤカもその精神にのっとり、プロレス界の常識を覆すかのような心構えでリングに上がっているのだろう。とはいえ、傾奇者の出所は、パチンコだった!

「私、『花の慶次』っていう戦国パチンコが大好きなんですよ。これに出てくる前田慶次が大好きなんです。男らしくてメッチャ華やかで、メッチャカッコいい生き方がすごいなと思って」

 もともと彼女は、アスリートタイプの女性だった。幼い頃から水泳をはじめ、小学2年生でアーティスティックスイミング(旧シンクロナイズドスイミング)へ。近所に施設があったという偶然もあるが、水泳自体への興味が薄れてきたことも大きかった。「あらゆる泳法を泳げるようになったら、そこから先はタイムを速くしていくしかないんですよ。それってつまんないなと思って、どうせやるんだったらもっと目立つことしたいなと思って」

 中2まで続けたアーティスティックスイミングでは、JOCジュニアオリンピックでチーム3位を2回、ソロ5位、デュエット4位という見事な成績を残した。当時から身長が高かったこともあり、オリンピックジュニアナショナル選考にも入った。が、意外にも彼女にとってはこの栄誉が競技から退く理由にもなっていた。

「(オリンピック候補になると)20代後半まで続けなくちゃいけなくて、そのとき14歳。この先、これまで生きてきたのと同じだけやるのはつまんないなと思ってやめたんですよ。その後、たまたま行った高校がずっとチアリーディング日本一で、見た瞬間にやると決めて速攻入りに行きました」

 チアリーディングでも「JAPAN CUP」高校生部門で全国優勝。その後、ダンスの専門学校に通うようになった。「将来的には有名なアーティストさんの後ろで踊りたい」との夢があったからだ。実際、ウルフルズのバックダンサーとしてステージに立つ機会に恵まれた。また、プロ野球オリックスの試合前に球場でダンスを披露。しかしこの頃、なにかが違う、と感じ始める。

「あんなに広い会場にお客さんがいっぱいいるのに、誰も私を見ていない。目立たないし、これじゃつまらないと思ってやめました。それから地下アイドル的なことをやり始めて、花の慶次(パチンコ)で稼いだお金で上京したんです(笑)」

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