「就活で不利になるかも」 コロナワクチン接種本格化で漏れる同調圧力への不安

新型コロナウイルスの大規模接種センターでのワクチン接種は16日、対象年齢を18歳以上までに引き下げ。これまで65歳以上の高齢者限定だった大規模接種センターには、高齢者に交じり接種券を手にした子育て世代や若者などがワクチン接種に訪れた。自治体によって接種券の発送状況に差があることに不満の声が漏れる一方、ワクチン接種への同調圧力を気にする声も上がっている。

接種年齢が引き下げとなり大規模接種センターには子育て世代の姿も【写真:ENCOUNT編集部】
接種年齢が引き下げとなり大規模接種センターには子育て世代の姿も【写真:ENCOUNT編集部】

大規模接種センターでのワクチン接種は16日から対象を18歳以上までに引き下げ

 新型コロナウイルスの大規模接種センターでのワクチン接種は16日、対象年齢を18歳以上までに引き下げ。これまで65歳以上の高齢者限定だった大規模接種センターには、高齢者に交じり接種券を手にした子育て世代や若者などがワクチン接種に訪れた。自治体によって接種券の発送状況に差があることに不満の声が漏れる一方、ワクチン接種への同調圧力を気にする声も上がっている。

 午前7時、東京・大手町の大規模接種センターが開場すると、高齢者と共に続々と若い接種者が来場。会場正面には「18歳以上の方ですか 本人確認書類をお持ちですか 接種券をお持ちですか」と書かれた看板が立てられ、係員による「本人確認書類をお持ちでない方は受付できません」というアナウンスがしきりに繰り返された。

 中野区から来たという36歳の女性は「公務員で窓口対応が多く、仕事柄接触がある仕事。なるべく早く受けたいと思っていたし、職場的にも受けた方がいいのかなと」。墨田区在住の51歳の男性は「接種券は1週間前に届いた。家族がみんな医療従事者で、一家の中では自分が最後。ただ、モデルナは自分が初めてなので、そこはちょっと気になるかな」と語った。

「接種を受けたくても接種券が届かない」という声に対し、府中市では市の窓口で接種券の配布を開始。練馬区でもHP上で接種券の発行を申請できるなど、柔軟な対応を行う自治体もある。練馬区の30代男性は「早く受けたいなら調べれば方法はある。27日までに受けないと高齢者の2回目接種が始まって当分受けられなくなるから、自分は今日のうちに受けてきた」と話した。

会場に設置された看板【写真:ENCOUNT編集部】
会場に設置された看板【写真:ENCOUNT編集部】

 ワクチン接種が本格化する一方で、接種への無言の圧力を感じるとの声もある。厚生労働省は、ワクチン接種は「努力義務」であり、接種を受けることは強制ではないとしているが、この日接種を済ませた中野区の21歳の学生は「親から受けなさいと言われて来ました。これから就活もあるので、受けていないと不利になるかも。感染して内定が取り消しになったという話も聞いたことがある。絶対にないとは言い切れない」と話した。

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