メイウェザーに天心VS武尊の契約体重まで “闘うビジネスマン”皇治がジムお披露目会で注目発言連発

去る4月12日、東京・世田谷で皇治のプライベートジム「TEAM ONE」のお披露目会が行われた。1階にリング、2階にフィジカルトレーニングスペースを備え、一般会員を募集できる十分な設備はあるものの、それはせず、皇治が練習をするためのジムになる。カジサックやオリックスの選手を含む著名人や支援者から届けられた祝い花が所狭しと並べられる中、薄茶色のスラックスにベストに蝶ネクタイ、黄色のサングラス姿で現れた皇治は、2月に上梓した「凡人の勝算 最後に勝つヤツの思考法」(宝島社)を手にしながら取材陣の質問に答えていく。今回は会見の後に実施した個別取材の際に述べられた持論を中心に、皇治が口にした注目発言とその真意、皇治自身が描いてきた「物語」と今後の構想をまとめてみた――。

念願だった専用ジムをお披露目した皇治【写真:ENCOUNT編集部】
念願だった専用ジムをお披露目した皇治【写真:ENCOUNT編集部】

なぜK-1からRIZINに移籍したのか

 去る4月12日、東京・世田谷で皇治のプライベートジム「TEAM ONE」のお披露目会が行われた。1階にリング、2階にフィジカルトレーニングスペースを備え、一般会員を募集できる十分な設備はあるものの、それはせず、皇治が練習をするためのジムになる。カジサックやオリックスの選手を含む著名人や支援者から届けられた祝い花が所狭しと並べられる中、薄茶色のスラックスにベストに蝶ネクタイ、黄色のサングラス姿で現れた皇治は、2月に上梓した「凡人の勝算 最後に勝つヤツの思考法」(宝島社)を手にしながら取材陣の質問に答えていく。今回は会見の後に実施した個別取材の際に述べられた持論を中心に、皇治が口にした注目発言とその真意、皇治自身が描いてきた「物語」と今後の構想をまとめてみた――。(取材・文=“Show”大谷泰顕)

 皇治といえば、昨年夏にK-1からRIZINへと主戦場を移すことを表明したファイターだが、それはもちろん、“神童”那須川天心戦を実現すること。これが目的のひとつだった。

 実際、「RIZIN.24」(2020年9月27日、さいたまスーパーアリーナ)では、念願の天心戦を実現させたが、その前後に口にしたコメントには、なぜか「自分がK-1からRIZINに来た目的の一つは、(団体の壁があって実現しない)天心VS武尊戦を実現させるため」との発言が存在した。

 そこでプライベートジムを立ち上げた皇治に、改めて自身の発言の意図やいきさつを訊いてみたいと考えた。

「その話は実はシンプルなんですよ。確かに団体を動かせたら一番いいんですけど、それってなかなか難しい。野球だってセ・リーグとパ・リーグがあって、その枠組みを変えるのが難しいのと同じで。ただ、俺が伝えたかったのは、自分が動くしかないんですね。それはどの世界でも一緒なんですけど、人任せにしても仕方がない。天心君も武尊君も一端の大人ですし、それがここまでやってきて、彼らは彼らで絶対に動いてきたんですよ。動いてきたことも知っているし。でも、俺が実際に動いたことで、そう口にしたことで、彼らもその周りにしても、ケツに火が点くじゃないですか。それでいいんですよ」

「もし彼らが俺のことを嫌いと言おうが、俺のアンチが深読みして『皇治は全部、(天心VS武尊が実現する流れになったことを)自分の手柄にしようとしている』って言ったとしても、そんなケツの穴のちっちゃいことじゃなくて、俺が(K-1からRIZINに)動いたことって、絶対に彼らやその周りの人たちの心に何か響いてたはずなんですよ。『あいつが動いたのに、俺は動かなくていいのか』って思ったらそれでいいんですよ」

「実際、俺が動いたことで、俺のアンチにしろ、天心VS武尊のことをより騒ぐと思うから、そしたら、さらにその試合をやらざるを得ない状況になるじゃないですか。そしたら、ちっちゃかった火が、どんどん大きくなっていくし、そうなったらいいなと思っただけであって。だって実際にその試合が実現したって、俺が儲かるわけじゃないし、どうでもいいっちゃあどうでもいいんですよ。天心や武尊に思い入れがあるかと言ったら、全くそんなことないしね」

 ここまで一気に言い放った皇治は、「ただ、残念ながら……」と口にしながら、以下の言葉を続けた。

「天心と武尊がこの階級のナンバーワンを争っているわけですから、あの2人の試合が実現しないことには、格闘技界は盛り上がらんのですよ。俺からしたら、あの2人にはやられて(負けて)いるわけやから、あの2人が憎いですし、あの2人にやり返したいですけど、そんなことよりもあいつらが闘ってくれたほうが、まずは盛り上がるんですよ。そしたら、そこから俺の仕返しロードを考えたらいい。特に武尊に関しては年齢的なものもあるし、今やらないともったいない。だからそのケツに火が点けばいいんです……って考えただけです」

 参考までに皇治は、天心戦に敗退した直後のインタビュースペースで、「両方と闘った俺から言わせてもらうと、武尊のほうが強い」と発言している。

「率直にそう思いましたし、ぶっちゃけた話、みんなが天心と予想していると思います。そこで天心が勝つって言っても面白くなかったと思いますし、この間の武尊VSレオナ・ペタス(3月28日、日本武道館)も見ましたけど、あの試合の結果(武尊のKO勝利)で、武尊が天心に勝つって思った人、増えたんじゃないですか? そういう存在だと思うし、彼(武尊)がK-1を背負っているわけだから、そういうものを背負っている人間の存在って強いですよ。だから、その辺の選手がピーピーピーピー言ってますけど、口だけじゃなく、動かないと、男は。そういう意味では俺は楽しみにしてますよ」

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