東京都内の大学教員は最近、韓国製マスク「KF94」を海外のネット通販サイトで購入した。「息が苦しくない高機能マスクがある」と韓国人留学生から知らされたことがきっかけだ。教員は「もし4月からゼミで対面授業が始まると学生と直接話す時間が増える。普通のサージカルマスクだと話しにくいし、顔とマスクの間にすき間ができてしまい心配です。感染を防ぐためには高機能なマスクが必要だと考えました」と話す。

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　このマスクの特徴は3D立体設計による3段構造のため口周りに空間ができ呼吸がしやすい点。着用感についても耳の近くの頬にフィットしてすき間ができにくい。布が唇と接触しないため「口紅がマスクに付着しないところがうれしい。メガネも曇らない」（40代の女性会社員）と評価は上々だ。

「KF」とは「Korean Filter」の略で、「94」は超微細粒子0.4μm（マイクロメートル＝0.001ミリメートル）以下を94％以上ブロックするナノファイバーフィルターを使用した製品に対してのみ韓国食品医薬品安全処（Ministry of Food and Drug Safety、MFDS）が与える認証を表す。韓国では「保健用マスク」という名称で売られており、「街中のドラッグストアや小売店で簡単に手に入りますよ」（ソウル在住のライター）。

　この「KF94」マスクが東京・新大久保のコリアンタウンで人気商品となっている。コスメショップ「POPSKIN本店」や韓流ショップ「MOIZA」には1個ずつ個包装された「KF94」マスクを買い求める女性客が次から次へと来店。4枚、5枚と手に取っては店を後にして行った。大手ドラッグストアチェーンや総合ディスカウントストアで大量に廉価販売されている不織布マスクに比べるとやや値が張るが、売れ行きは好調だ。

　両店を経営するポップベリー株式会社（東京・新大久保）の陶山由紀夫取締役は「多くのK-POPアイドルがこの『KF94』マスクを着用しているので、韓国の情報に詳しいファンの方からの問い合わせがたくさん届いていました。そこで約2万枚を韓国から取り寄せ2月15日に発売したところ、完売状態。正直ここまで人気商品になるとは思いませんでした。韓国では1年以上前に発売されていたのでもっと早く気が付いていればよかったです」と明かす。反響を受け同社は同月22日に4万枚を輸入。今月中旬には10万枚を追加輸入するという。