業界ナンバー1に王手! 武藤敬司と秋山準が加わり新日本プロレス越えの手はずは整った

新日本プロレスに追いつけ、追い越せ! 目指すはプロレス界ナンバー1。ノア、DDTなどを運営するサイバーファイト(CF)が大攻勢に出た。

遠藤を攻め立てDDTの頂点に立った秋山 「本道」を注入【写真:柴田惣一】
遠藤を攻め立てDDTの頂点に立った秋山 「本道」を注入【写真:柴田惣一】

高木三四郎社長「プロレス界の宝とも言える2人が加わった」

 新日本プロレスに追いつけ、追い越せ! 目指すはプロレス界ナンバー1。ノア、DDTなどを運営するサイバーファイト(CF)が大攻勢に出た。

 ノアに武藤敬司、DDTに秋山準とリビングレジェンドの2人がCFに入団。ともにチャンピオンとして各団体の先頭に立ってけん引することになった。

 CFの高木三四郎社長が「プロレス界の宝とも言える2人が、グループに加わった。これからプロレス界のナンバー1を目指していく原動力になってくれる」と胸を張る。

 2人はともにトップ選手であり、さまざまな団体で暴れてきた。「社長レスラー」を体験し、多角的な視線で選手、団体を見渡すことができる。50代ながら、ノアとDDTが勝負を懸けたビッグマッチで、王座を奪取し、リング上の実力を証明したばかりだ。

 武藤は「契約したからには、この団体に俺の骨の髄までしゃぶってもらいたい」と、すべての引き出しをノアのために公開する。新日本プロレスで世界に通じるスター選手となり、全日本プロレスでは社長レスラーに就任、WRESTLE-1を経てフリーになっていたが、58歳にしてノア入り。メジャー3団体すべてに所属することとなった。

 武藤らしく思いのままのレスラー人生を送っているが「俺はトップレスラーだと自負している。だから俺が契約したノアもトップに立てるはずだよ」と、ノアがプロレス界ナンバー1の団体になるために、すべてを注ぎ込む。

 DDT入りした秋山はヘッドコーチにも就任した。「文化系プロレス」を掲げ、男色ディーノを代表とする独特のスタイルを実践してきたDDTに、全日本プロレスの王道を進化させた「本道」を持ち込む。

 秋山自身が認めているように「反発」もあるはずだが「俺が来たのは、DDTを業界一番にするため。これまでのやり方ではトップにはいけない。プロレスの本道を突き進む」と揺るぎない。

 ただし、ディーノ流を認めないわけではない。関西出身とあって「彼の考えも分かる」と評価もしている。DDTは路上プロレスなど、従来のプロレス団体では思いもつかない斬新な手法を取り入れ、プロレス界に新風を呼び込んできた。そこに秋山が「本道」のエッセンスを、注ぎ込むことで、新たな化学反応が起こるだろう。

 業界ナンバー1を悲願とする高木CF社長。バックには時代の最先端をいくサイバーエージェントが付いている。ノアとDDTという二つのステージを揃えた。そこに武藤、秋山という業界の表も裏も知り尽くした「元社長レスラー」のレジェンドが加わったのだ。

 今のところ、ノアとDDTはそれぞれの道でナンバー1を目指しているが、時には二本の矢が一つとなることもあるかもしれない。となれば、ますます夢が広がってくる。

 コロナ禍の中、プロレス界も興行数は限られ、日本各地への遠征もままならない。だが「ピンチはチャンス」。陣容を整えたCFの二団体、ノア、DDTから目が離せない。

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