尚玄が明かす「義足のボクサー」舞台裏…過酷な10キロ減量、壮絶なボクシングシーン

俳優の尚玄(41)が主演した日本・フィリピン合作映画「義足のボクサー(仮題)」がこのほどクランクアップした。フィリピンで活躍した実在の義足のボクサー、土山直純さん(37)をモデルにした物語。メガホンを執ったのは、カンヌ国際映画祭で監督賞を受賞したフィリピンの巨匠ブリランテ・メンドーサ氏。6年前、企画を立ち上げ、自ら監督にオファー、10キロの減量、ボクシングのトレーニングなど徹底した役作りを行った尚玄は「一生、記憶に残る作品になった」と胸を張った。映画は世界三大映画祭出品を目指して、編集が行われている。

インタビューに応じた尚玄【写真:山口比佐夫】
インタビューに応じた尚玄【写真:山口比佐夫】

インタビュー前編、日本・フィリピン合作映画がクランクアップ

 俳優の尚玄(41)が主演した日本・フィリピン合作映画「義足のボクサー(仮題)」がこのほどクランクアップした。フィリピンで活躍した実在の義足のボクサー、土山直純さん(37)をモデルにした物語。メガホンを執ったのは、カンヌ国際映画祭で監督賞を受賞したフィリピンの巨匠ブリランテ・メンドーサ氏。6年前、企画を立ち上げ、自ら監督にオファー、10キロの減量、ボクシングのトレーニングなど徹底した役作りを行った尚玄は「一生、記憶に残る作品になった」と胸を張った。映画は世界三大映画祭出品を目指して、編集が行われている。

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――土山さんは5歳の時に右膝下から切断、高校時代からボクシングを始め、2006年にフィリピンでプロデビューされた日本初の義足のボクサー。土山さんとは以前からの友人だったそうですね。

「彼がボクサーだというのは知っていたんですけど、最初は義足だと気付かなかったです。何度か会うようになってから知りました。初めはどこまで聞いていいか、躊躇してたんですけど、仲良くなっていくにつれて、互いのことを話すようになりました。彼の生き様に感銘を受けて、ある時『いつか僕が映画化したいんだけどいい?』って聞いたんですね。そしたら『尚玄さんなら、いいですよ』って言ってくれて、それが6年前ぐらい前です。僕のライフワークとして、一つ懸けてみたいなと思いました」

――それで、企画を製作会社に持ちかけた。

「プロデューサーの山下貴裕さんは、僕の映画デビュー作『ハブと拳骨』(05年)をプロデュースしてくださった方。その時も、シナリオハンティングから同行して、普段は俳優がさせてもらえない準備段階から参加させてもらったので、もう一度ガッツリ組みたいと思っていました。最初に話をしたら、『すごい良いテーマだ』と言ってくれたんです」

――監督はフィリピンの大巨匠であるメンドーサ監督に結びつくっていう流れは?

「僕らがリサーチする中、せっかくなので海外の監督とやろうということになったんです。撮影はほぼフィリピンになるだろうし、英語劇になるので英語がわかる監督じゃないと、難しいだろうということで、普段から仲良くさせてもらっているシンガポール人のエリック・クー監督(斎藤工、松田聖子共演『家族のレシピ』)に相談したんです。そうしたら、エリックが『僕がフィリピンで撮影するとなると、準備に時間かかってしまう。フィリピンのブリランテ・メンドーサ監督がベストじゃないか。彼が釜山国際映画祭に来るから、君らも来いよ』って。それが2年前の2018年ですね」

――その後は、どうなったのでしょうか。

「そういう経緯で、釜山でメンドーサ監督に会ったんですけども、最初は『興味深い話だね』って言ってくれただけ。その後、監督が東京国際映画祭の審査長を務めた際に再会して、具体的なお話をさせてもらったんです。さらにその直後にマニラのスタジオに口説きに行って、ようやく現実的に話を進めてくれました。監督は、初めて持ち込みの企画を受けたと言ってましたね」

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